貧血のくすり

エミネトンの鉄としての含有量と服用が効果的な方について

2018-07-12

佐藤製薬のエミネトンは、昔からファイチ・マスチゲン錠の次に愛飲されている方も多かった鉄剤ですが、ここ2年くらいの間に売れ行きが伸びている鉄剤です。

エネミトンのパッケージがリニューアルされる以前は、ファイチ・マスチゲン・ヘマニックが溶性ピロリン酸第二鉄79.5mg(鉄として10mg)と表示されているのに対して、

エネミトンはフマル酸第一鉄90mgだけで、鉄として何mg摂れるか記載がありませんでした(90mgという表記は鉄を安定させるための食品添加物を合わせた合計量です

エミネトンは、ほかの貧血薬よりも多く鉄分配合していることをアピールしたパッケージに変更されてからは、より多くの鉄分を摂りたい方の鉄剤として興味を持たれる方も増えました。

この記事では、鉄不足の貧血をなんとかしたい方にむけてエネミトンの特徴をご紹介します。

エネミトンの効能効果

一般の鉄欠乏及び諸疾患にともなう貧血。妊娠時の貧血。小児の栄養障害による貧血、虚弱児・腺病質児・発育不良児の増血及び栄養補給。寄生虫性貧血。貧血に原因する全身倦怠・動悸。病中・病後の増血及び回復促進。

エネミトンの服用が効果的な方について

  • 佐藤製薬のエミネトンは普段の食事だけでは満たしきれない鉄分をしっかりとチャージできます
成長期・授乳期は、生理と重なると普段からバランスのよい食事で栄養に気を配っている方でも必要な鉄分が満たしきれず、鉄分不足になりやすいです。

成長期のお子さんは、骨格筋の形成に多くの鉄分を必要とします。授乳期のお母さんは母乳を作るために多くの鉄分を必要としますので、いつも以上に鉄分を持っていかれます。

厚生労働省日本人の食事摂取基準2020」によると、18 歳以上の女性が生理で失った鉄分を回復するには、1日で3.64mgの鉄を摂るように推奨されています。

さらに、授乳期にはいつもの平均必要量にプラスして2.5mgの鉄分を摂ることが推奨されます。慢性的な鉄分不足が続くと、身体のなかの貯蔵鉄が減少し鉄欠乏性貧血の症状が出やすくなります。

エミネトンは1錠中に29.5mgの鉄分だけでなく、貧血改善に必要な造血のビタミンを配合しています。授乳中にNGな成分は入っていませんので、生理中の授乳がつらい方はエミネトンを試してみてください。

関連記事【ヘモグロビン・フェリチン】貧血の症状がない鉄不足と鉄欠乏性貧血の違いについて

エネミトンの鉄の含有量と服用方法

  • 鉄分含有量・・・1錠中に鉄として29.5mgの鉄分配合( ※フマル酸第一鉄90mgという表記は鉄と食品添加物の合計です)
エミネトンは貧血のしんどさにあわせて服用する量を1回2~3錠の間で飲む量を加減できます(15歳以上は1回2〜3錠を1日2回。7~14歳は1回1錠を1日2回)

ファイチ・マスチゲン・ヘマニックと違って、佐藤製薬のエミネトンは服用する量を自分の体質にあわせて加減できるお薬です。

例えば、生理中だけぐったりしたり、疲れの取れない方の場合。普段は朝と晩に2錠ずつ飲んで、生理中だけ1回3錠に増やして鉄不足に備えることもできます。

また、吐き気や胃のムカムカなど。鉄剤を飲んで気持ち悪くなることが心配な方は、エミネトンの量を2錠からはじめて体質に合うことを確かめてから3錠に増やしてください。

服用する時間帯は決まっていませんが、エミネトンは寝る前を避けて食後のタイミングで服用することをおすすめします。鉄剤で便秘になったら→「便秘になったら見直したいことと対処法

エミネトンの貧血に効果がでるまでの服用期間

  • エネミトンを飲み始めてから健康診断で貧血の数値に反映されるまでは半年以上かかる場合があります
めまいや耳鳴りや日中のダルさなど。鉄欠乏性貧血の症状は、身体が赤血球やヘモグロビンを造るための鉄(貯蔵鉄)が少なくなっていることを知らせるシグナルです。

エミネトンは飲んでから数日で貧血の症状がなくなる即効性はありません。エミネトンは飲み続けていくことで徐々に体調が快くなっていきます。

エミネトンで補給した鉄分は、身体のなかで使われる鉄分の需要を満たしたうえで、余った分が少しずつ肝臓・脾臓・骨髄・筋肉などに貯蔵鉄として蓄えられていきます。

貯蔵鉄がある一定のラインまで回復すると健康診断の数値がよくなり、ちょっとした鉄不足では貧血の症状が出にくくなります。

市販薬を試される前に知っておいて欲しい知識ついて→貧血に効く市販薬。ファイチ・マスチゲン・エミネトン・ヘマニックはどのおくすりがおすすめですか

エミネトンによる鉄分の過剰摂取について

エミネトンは、ほかの鉄剤と比べて1錠あたりの鉄分含有量が多いので、1日あたりの鉄分の摂りすぎ(副作用)が心配になる方もいらっしゃいます。

エミネトンは6錠(1日量)で177mgの鉄分が配合されていますが、鉄分は吸収率の悪い栄養素で摂取した量の10%程度しか身体に吸収されません。

私たちは日食事から平均7~8mgの鉄分を摂っていていますので、食事とは別にエミネトンで177mgの10%(17mg)の鉄分を補給しても女性の1日あたりの耐容上限量40mgを心配する必要はありません。

吸収されなかった鉄分の大半は、鉄分を多く含む黒色の便として排出されます。ただし、鉄分の過剰症と吐き気・下痢などの副作用は別物です。

エミネトンは胃を守るための保護成分が配合されていますが、体質によっては吐き気や胃のムカムカに襲われる場合があります。症状が続くようでしたら市販薬は使用を中止してください。

 

 

ご参考になれば幸いです

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