風邪のおくすり

パイロンPL錠ゴールドとパイロンPL錠の効き目の違い

2020-10-03

パイロンPL錠ゴールドは、これまでパイロンPL(錠・顆粒)の弱点だった「せき」「たん」の風邪にも効く総合感冒薬です。

パイロンPL(錠・顆粒)は、処方せんなしで医療用のPL 配合顆粒と同じ風邪薬が買えることがウリでしたが、「せき」と「たん」を止める成分が配合されていませんでした。

2020年の秋からはパイロンPL錠に「せき」と「たん」に効く成分をプラスしたパイロンPL錠ゴールドが販売されています。

この記事では、従来のパイロンPL(錠・顆粒)と比較したパイロンPL錠ゴールドの効き目の特徴や、服用上の注意点をご紹介します。

パイロンPL錠ゴールドとパイロンPL錠の効き目の違い

  • パイロンPL錠ゴールドは熱をしっかり下げる効果に優れ、頭痛やのどの痛みを抑え鼻みず・鼻づまり、くしゃみを緩和する総合感冒薬です。
従来のパイロンPL(錠・顆粒)は、市販薬向けに医療用のPL 配合顆粒の有効成分は変えずに成分の配合量だけを調整した風邪薬です。

パイロンPL錠ゴールドは、市販のパイロンPL(錠・顆粒)に、せきの指令を出すせき中枢に働きかけてせきを鎮める成分と、のどに絡まったたんを出しやすくする去たん薬をプラスしています。

パイロンPL錠ゴールドと従来のパイロンPL(錠・顆粒)では、せきとたんを緩和する効能効果の違いのみで、そのほかの風邪の諸症状を緩和する効果の効き目(強さ)に差はありません。

風邪薬 効能・効果
パイロンPL(錠・顆粒) かぜの諸症状(のどの痛み、発熱、鼻みず、鼻づまり、くしゃみ、悪寒(発熱によるさむけ)、頭痛、関節の痛み、筋肉の痛み)の緩和
パイロンPL錠ゴールド かぜの諸症状(せきたん、のどの痛み、発熱、鼻みず、鼻づまり、くしゃみ、悪寒(発熱によるさむけ)、頭痛、関節の痛み、筋肉の痛み)の緩和

パイロンPL錠ゴールドの効き目の特徴

  • サリチルアミドとアセトアミノフェンは、アスピリン(バファリンAの痛みに効く成分)に比べ胃を荒らしにくい解熱鎮痛剤です。サリチルアミドとアセトアミノフェンは熱を下げる効果に優れます。
  • 2つの解熱鎮痛剤を組み合わせることによって鎮痛効果が増強され、無水カフェインとの相互作用で頭痛や風邪によるのどの痛みの緩和に効果が期待できます(非ピリン系のかぜ薬です)
  • イブプロフェンが配合された風邪薬と比べると、抗炎症効果は弱めです。
  • プロメタジンメチレンジサリチル酸塩は少し眠気の出やすい成分ですが、鼻の諸症状によく効きます。出ている症状をしっかり鎮め、症状を悪化させない抗ヒスタミンと抗コリンの2つの作用があります。
  • デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物はコデインと同等の効果を持つ咳止めの成分で、せき中枢に働きかけてせきをしっかり止めます。
  • ブロムヘキシン塩酸塩は粘液の分泌量を増加させるお薬です。のどに絡んだたんを出しやすくして、たんの切れをよくしてくれます。
 有効成分
(1錠あたり)
PL配合顆粒
(処方薬)
パイロンPL
(錠・顆粒)
パイロンPL錠
ゴールド
サリチルアミド(解熱鎮痛剤) 270mg 216mg 216mg
アセトアミノフェン(解熱鎮痛剤) 150mg 120mg 120mg
無水カフェイン(頭痛の緩和) 60mg 48mg 48mg
プロメタジンメチレンジサリチル酸塩(鼻みず、鼻づまり、くしゃみ) 13.5mg 10.8mg 10.8mg
デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物(咳止め) - - 48mg
ブロムヘキシン塩酸塩(去たん薬) - - 12mg

医療⽤のPL顆粒と市販薬は成分量の違いだけで、風邪の諸症状を緩和する効果に劇的な差がある訳ではありません。

抗生物質配合の風邪薬をお探しの方へ

  • パイロンPL錠ゴールドは抗生物質配合の風邪薬ではありません(※病院で出されるPL 配合顆粒にも抗生物質は配合されていません)
抗生物質には風邪の原因となるウイルスを死滅させる効果はないため、市販の風邪薬には抗生物質は配合されていません。

ライノウイルスやコロナウイルス(新型を除く)、パラインフルエンザウイルス、アデノウイルスなど。風邪の原因の9割近くはウイルスによるものです。

抗生物質は、細菌にしかない生命維持に必要な物質(細胞壁など)を破壊するものですが、ウイルスは細菌と構造が違うので効果がありません。

一昔前までは、風邪を引いたら細菌による二次感染を予防するために抗生物質が出されていましたが、現在では抗生物質にはその予防効果がないこともわかっています。

2017年からは、厚生労働省が全国の医療機関に向けて軽い風邪や下痢の患者に対する抗生物質の処方を控える方針を打ち出していますので、風邪薬に抗生物質がなくても大丈夫です。

パイロンPL錠ゴールドの服用上の注意点

  • パイロンPL錠ゴールドの対象年齢は15歳以上です。1回量2錠を食後30分以内に1日3回服用してください。
パイロンPL錠ゴールドには抗ヒスタミン成分の副作用で眠気が出やすいです。お薬の服用後は車の運転は避けてください。

抗ヒスタミン成分は鼻みず、鼻づまり、くしゃみをおさえるお薬ですが、抗ヒスタミン成分は心臓病、肝臓病、腎臓病、胃・十二指腸潰瘍、緑内障の治療を受けている方が服用すると基礎疾患に影響を与えます。

また、妊娠中や授乳中はパイロンPL錠ゴールドを服用しないでください。妊娠中や授乳中に抗ヒスタミン成分のはいった風邪薬を服用すると、胎児や乳児に影響を及ぼす可能性があります。

インフルエンザが疑われる場合にパイロンPL錠ゴールドを服用した場合。配合されている解熱鎮痛剤の影響で症状が悪化するおそれがあるので服用しないでください。

 

 

ご参考になれば幸いです

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