風邪のおくすり

1日2回で効く。お仕事中に長く効くかぜ薬の選び方

2017-10-13

かぜ薬を選ぶにあたっては、風邪の諸症状を無理なく抑え、周りへの迷惑をかけないこと。仕事への影響を最小限に抑えることが重要視されます。

鼻水、せきなどを繰り返していればTPO的にも問題がありますし、周りの方はもちろん、ご自身の作業効率にも影響がでます。

お仕事中にかぜ薬を服用する場合は、朝と夜で効果が落ちない1日2回の持続性かぜ薬が重宝されます。

この記事では、1日2回で長く効く持続性かぜ薬のなかから、かぜ薬の特徴を活かした選び方をご紹介します(※青色の目次をタップ(PCの場合はクリック)することで目的の項目まで移動できます)

1日2回で効く持続性かぜ薬には、下記の医薬品が販売されています。

コンタックとプレコールの比較

  • 朝と晩でかぜ薬の効き目の差が少ないプレコール

持続性かぜ薬で多いご相談としては、「コンタックとプレコールどちらがよく効きますか」というお問い合わせになります。

持続用のかぜ薬は朝用と夕方用で溶け出す成分を時間差で調整して効き目を長くしているものが多く、製品によっては特定成分だけ分離しているものと、そうでないものがあります。

プレコール持続性カプセルは、技術的に現段階では分離不可能なカンゾウエキス末を除く6種類を、朝用と夕方用に半分ずつ分離していて、朝と夕方で効き目の差が少ないかぜ薬です。

プレコール持続性カプセルは、効き目の早さと持続時間の異なる2種類の解熱鎮痛剤を配合して持続性に優れる医薬品です(イソプロピルアンチピリン・アセトアミノフェン)

特にイソプロピルアンチピリンは、イブプロフェンやアスピリンに比べて痛みや腫れを抑える抗炎症効果は弱めですが、熱を下げる解熱作用に優れる解熱鎮痛剤です。

プレコール持続性カプセルは、持続性かぜ薬のなかで最も多いクロルフェニラミンマレイン酸塩(抗ヒスタミン成分)を配合していて、鼻の諸症状によく効くかぜ薬です。

咳についても、ご紹介した持続性かぜ薬のなかでは鎮咳効果の高いジヒドロコデインリン酸塩を配合しているのでよく効きます(ただし眠気の副作用は高めです)

イソプロピルアンチピリンは、薬疹やじんましんなどピリン系解熱鎮痛薬に対するピリンアレルギーをお持ちの方は服用できません。

関連記事かぜ薬や解熱鎮痛剤に含まれるイソプロピルアンチピリンの副作用について

  • のどの痛みによく効く新コンタックかぜEX

新コンタックかぜEXは、のどの痛みや腫れを抑える抗炎症効果の高いイブプロフェンを配合したかぜ薬です。

同じメーカーの新コンタックかぜ総合は、幅広い年齢層でも服用可能なアセトアミノフェンを採用していました。

ですが、アセトアミノフェンは他の解熱鎮痛成分に比べて「のどの痛みや腫れを抑える抗炎症効果」が弱いのがデメリットでした。

新コンタックかぜEXは、抗炎症効果の高いイブプロフェンに変更することで、「つばも飲み込めないようなのどの痛みや腫れ・頭痛・関節の痛み・筋肉の痛み」によく効きます。

プレコール持続性カプセルと比べて痛みによく効くかぜ薬ですので、扁桃腺の腫れなど炎症が強い場合は新コンタックかぜEXを選んでください。

参考のどの痛みに効く解熱鎮痛成分の効き目

風邪をひいたときの「つばも飲み込めないようなのどの痛みや腫れ・頭痛・関節の痛み・筋肉の痛み」など、腫れや痛みを緩和する効果のことを抗炎症作用と呼びます。

解熱鎮痛剤の抗炎症効果は、同じ配合量なら①イブプロフェン②アスピリン③イソプロピルアンチピリン④サリチルアミド⑤アセトアミノフェンの順でよく効きます。

つばも飲み込めないようなのどの痛みや、悪寒、頭痛、関節痛、筋肉痛がひどい方でしたら、イブプロフェンの配合されたかぜ薬を選んでください。

イブプロフェンは、アスピリン(バファリンの成分)より痛みの原因プロスタグランジン(増痛物質)が増えるのを抑える作用が高く、痛みや腫れの症状に効果を発揮します。

医薬品名 かぜ薬に配合された解熱鎮痛成分
コルゲンコーワIB2 イブプロフェン
新コンタックかぜEX イブプロフェン
新エスタックW アセトアミノフェン
サリチルアミド
新コンタックかぜ総合 アセトアミノフェン
プレコール持続性カプセル アセトアミノフェン
イソプロピルアンチピリン
ルルアタックTR イブプロフェン

参考鼻の症状に効く成分

鼻水、鼻づまり、くしゃみの症状を緩和するクロルフェニラミンマレイン酸塩と、鼻水の分泌を抑えるヨウ化イソプロパミドが配合されています。

特に鼻水の分泌がひどいときには、ヨウ化イソプロパミド(抗アセチルコリン成分)とクロルフェニラミンマレイン酸塩(抗ヒスタミン成分)があわせて配合されたもの。

鼻水、鼻づまり、くしゃみの症状をしっかり止めたいときは、クロルフェニラミンマレイン酸塩が多く配合された医薬品を選んでみてください。

医薬品名 クロルフェニラミンマレイン酸塩 ヨウ化イソプロパミド
コルゲンコーワIB2
新コンタックかぜEX  
新エスタックW
新コンタックかぜ総合  
プレコール持続性カプセル  
ルルアタックTR

せきとたんだけ長引く風邪の方におすすめの医薬品

熱がなく、せきとたんだけ長引く風邪の場合は、総合感冒薬は使わずに、せきとたんの緩和に特化した「鎮咳去たん薬(せき止め)」を服用してください。

熱や鼻の諸症状がないのに総合感冒薬を服用するよりは、せきとたんだけに特化したせき止めを利用する方が成分量も多く症状をしっかり止める事ができます。

効き目の長い持続性のせき止め薬には、「新コンタックせき止めダブル持続性」と「プレコール持続性せき止めカプセル」の2種類があります。

関連記事解熱鎮痛剤を含まないかぜ薬をお探しの方へ。その風邪の症状は鼻炎内服薬や鎮咳去たん薬で緩和できます

参考せきに長く効くかぜ薬の選び方

持続性かぜ薬には、ジヒドロコデインリン酸塩・デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物・ノスカピン塩酸塩水和物の3種類の鎮咳虚たん薬が配合されています。

せきを止める効果としてはジヒドロコデインリン酸塩が一番になりますが、ジヒドロコデインリン酸塩は、喘息の⼈やけいれんがある⼈には使用できません。

デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物は呼吸抑制作用作用や依存性がなく、コデインに比べて眠気や便秘になる副作用が少ないため、コデインが使用できない方の代替薬になります。 

ご紹介した持続性かぜ薬のなかでは、プレコール持続性カプセルが唯一ジヒドロコデインリン酸塩を採用した風邪薬になります。

プレコール持続性せき止めカプセル

のどの奥にたんが絡まっている場合、人の脳はたんを排出させようとせき込むよう指令を出します。ただ、たんに粘り気が多いとたんが切れにくいため何度もせき込んでしまいます。

プレコール持続性せき止めカプセル」には、たんの粘り気をサラサラにして出しやすくするグアヤコールスルホン酸カリウムが配合されています(新コンタックせき止めダブル持続性には無配合)

ただし、「プレコール持続性せき止めカプセル」に配合されているクロルフェニラミンマレイン酸塩は、アレルギー性のせきを鎮めるのに有益な成分ですが、眠気が出やすいデメリットがあります。

プレコール持続性せき止めカプセル 成分のはたらき
デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物 コデインに比べて安全性が高いとされるせきを鎮めるお薬です。
dl-メチルエフェドリン塩酸塩 気管支を拡げて呼吸を楽にし、たんの排出を助けせきを鎮めてくれます。
クロルフェニラミンマレイン酸塩 くしゃみ・鼻水・鼻づまりなど鼻の諸症状を抑えてくれる成分です。
 グアヤコールスルホン酸カリウム たんの粘度を下げて、たんを出しやすくします。

新コンタックせき止めダブル持続性

逆に、新コンタックせき止めダブル持続性の場合は、たんはそれほどででもないが、咳き込みすぎて呼吸が苦しいときに効果を発揮します。

成分の数だけ見ると「プレコール持続性せき止めカプセル」が4つに対して、「新コンタックせき止めダブル持続性」が2つと少なく思えますが、ジプロフィリンは収縮した気管支を拡げて呼吸を楽にするのに非常に役立つ成分です。

新コンタックせき止めダブル持続性は、デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物とジプロフィリンが協力して、せきをしずめ、たんを出しやすくします。

新コンタックせき止めダブル持続性 成分のはたらき
デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物 コデインに比べて安全性が高いとされるせきを鎮めるお薬です。
ジプロフィリン 気管支を拡げて呼吸を楽にしてくれます。せきを鎮め、たんを出しやすくしてくれます。

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