市販薬では塩野義製薬からPL配合顆粒と類似の成分が配合されたパイロンPL風邪薬が3種類販売されています。
パイロンPLシリーズ(錠・顆粒)のなかで病院のPL配合顆粒とまったく同じ成分量なのはパイロンPL顆粒Proのみです。
この記事ではパイロンPL顆粒Proの効き目の特徴や使用上の注意点などを紹介します(青色の目次をタップorクリックで目的の見出しに移動できます)
医療⽤PL配合顆粒と市販薬パイロンPL顆粒Proの成分量
パイロンPL顆粒Proはピリン系アレルギーの心配が少ない非ピリン系の風邪薬です。
1回量1gのなかに解熱鎮痛剤2種類と頭痛をやわらげる成分1種類。鼻みず・鼻づまり、くしゃみをおさえる成分1種類が配合されています。
ただし病院のPL配合顆粒と同じく1日4回服用するタイプなので、1日何回も飲む時間がとれない方はほかの風邪薬を選ばれてもよいかもしれません。
※一包あたり |
パイロンPL顆粒pro | PL配合顆粒 |
サリチルアミド(解熱鎮痛剤) | 270mg | 270mg |
アセトアミノフェン(解熱鎮痛剤) | 150mg | 150mg |
無水カフェイン(頭痛の緩和) | 60mg | 60mg |
プロメタジンメチレンジサリチル酸塩(抗ヒスタミン成分) | 13.5mg | 13.5mg |
パイロンPL顆粒Proは抗生物質入りのかぜ薬ではありません
よくかぜ薬と一緒に抗生物質を処方された記憶から勘違いされる方も多いのですが、病院で処方してもらうPL配合顆粒にも抗生物質は配合されていません。
抗生物質は細菌には効果を発揮しますがウイルスには効きません。風邪薬は症状を緩和するものでウイルスを追い出したり風邪の回復を早めるものではありません。
風邪薬に抗生物質が入ってなくても風邪の諸症状を緩和する効能効果は変わりませんので大丈夫です。
パイロンPL顆粒Proの風邪を緩和する効き目の特徴
パイロンPL顆粒Proには、胃を荒らしにくいサリチルアミドとアセトアミノフェンの2種類の解熱鎮痛剤が配合されています。
サリチルアミド・アセトアミノフェンはアスピリン(バファリンAの解熱鎮痛剤)より胃腸の負担が少なく、2種類の成分を適切な割合で組み合わせることで解熱・鎮痛作用が増強されています。
また2つの解熱鎮痛剤と無水カフェインとの相互作用で頭痛の緩和にも優れた効果を発揮してくれます。
鼻みず、鼻づまり、くしゃみをおさえるプロメタジンメチレンジサリチル酸塩は比較的眠気の出やすい成分なので、車や機械類の操作は避けてください。
パイロンPL顆粒Pro・パイロンPL(錠・顆粒)パイロンPL錠ゴールドの使い分け
医療⽤PL配合顆粒と同量の成分を配合しているパイロンPL顆粒Proですが、1日4回の服用が負担に感じる方はパイロンPL(錠・顆粒)・パイロンPL錠ゴールドを選ばれてもよいかもしれません。
例えばパイロンPL(錠・顆粒)は成分量が若⼲少なくなっていますが、効能効果でいえばPL配合顆粒と比べて劇的に違うということはありません。
また、パイロンPL顆粒とパイロンPL顆粒Proにはせき・たんをおさえる成分が含まれていません。せき・たんがつらい風邪にはパイロンPL錠ゴールドを選んでください。
パイロンPL錠ゴールドは、パイロンPL錠の成分はそのままにせき・たんに効くお薬をプラスした風邪薬です。
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パイロンPL顆粒Proを妊婦さんや授乳中のお母さんが服用NGな理由
妊娠中の方は、安易に市販のかぜ薬を服用せず、かかりつけのお医者さんの指示を仰いでください。
また、抗ヒスタミン成分は母乳に移行しやすい成分です。授乳中のお母さんがパイロンPL顆粒Proを服用すると母乳を通じて赤ちゃんに熱性痙攣誘発のリスクが高まります。
授乳中のお母さんは、赤ちゃんのためにもパイロンPL顆粒Proを使用しないでください。
15歳以下のお子様にパイロンPL顆粒Proが使用できない理由
サリチルアミド(解熱鎮痛剤)は、インフルエンザや水痘(水疱瘡 みずぼうそう)に感染、またはその疑いがあるお子さんに使用した場合。
ライ症候群と呼ばれる急性脳症、肝臓の脂肪浸潤を引き起こし、生命にもかかわる病気との関連性が報告されています。
15歳未満の⼩児に服用できるパイロンPL顆粒Proの代替品としてはエスエス製薬の「エスタック総合感冒」がおすすめです。
「エスタック総合感冒」は、ノンコデイン・ノンカフェイン・アセトアミノフェン配合の5歳から使えるかぜ薬で卵由来の原材料を使っていないので卵アレルギーのお子さんにも使用できます。
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医療機関で継続的な治療を必要とする基礎疾患をお持ちの方へ
パイロンPL顆粒Proには鼻みず、鼻づまり、くしゃみをおさえる抗ヒスタミン成分(プロメタジンメチレンジサリチル酸塩)が配合されています。
例えば、緑内障の患者さんが市販薬を服用すると、眼圧上昇による失明のリスクが高まります。前立腺肥大の場合は、排尿困難や、ひどい場合は尿が全くでなくなる尿閉になる場合があります。
心臓病の場合は、心機能を亢進させ、心臓に無理な負担をかけることに繋がるリスクが高まりますので、パイロンPL顆粒Proの服用は避けてください。
ご参考になれば幸いです