
医療用と同じお薬を使いたいというご要望は多く、市販薬では塩野義製薬から医療用のPL配合顆粒と同量の有効成分を配合したパイロンPL顆粒Proが販売されています。
ですがパイロンPL顆粒Proには咳止めの成分は配合されていませんので、かぜのひき始めであれば咳止めとたん切りの成分を追加したパイロンPL錠ゴールドをご提案することがあります。
また、風邪で咳だけが残っている場合には、有効成分が医療用と同量配合のメジコンせき止め錠 Proやムコダイン去たん錠Pro500をお買い求めになるという選択肢もあります。
この記事では、風邪で最後まで咳が残る時はパイロンPL顆粒Proよりメジコンせき止め錠 Proやムコダイン去たん錠Pro500を選んでよいかどうかについてご案内します。
※一包あたり |
パイロンPL顆粒pro | PL配合顆粒 |
サリチルアミド(解熱鎮痛剤) | 270mg | 270mg |
アセトアミノフェン(解熱鎮痛剤) | 150mg | 150mg |
無水カフェイン(頭痛の緩和) | 60mg | 60mg |
プロメタジンメチレンジサリチル酸塩(鼻みず・くしゃみを止める) | 13.5mg | 13.5mg |
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パイロンPL顆粒Proとメジコンせき止め錠 Proやムコダイン去たん錠Pro500の使い分け
- パイロンPL顆粒Proには咳止めやたんを切る成分は配合されていませんのでたんの絡まる咳やコンコンと続く空咳には不向きです

風邪は最初、発熱やのどの痛み、くしゃみ、倦怠感などから症状が始まり、ウイルスを追い出す身体の防御反応として鼻水や鼻詰まりが起こり、最後に咳やたんが出るようになります。
風邪の症状のピークを越えたあとも鼻や喉の炎症が治るまでには時間がかかるため、咳はほかの症状よりも約1〜2週間程度長く続きます。
風邪の初期には熱冷ましや鼻水を止める成分があると症状を和らげるために有用ですが、治りかけの後半には咳止めやたん切りだけの単剤を使用する方が副作用のリスクも減らせます。
熱冷ましや鼻水を止めるお薬は不要で医療用と同じ成分のお薬を選びたいという方には、メジコンせき止め錠 Proやムコダイン去たん錠Pro500を選んでください。
関連記事パイロンPL錠ゴールドとパイロンPL錠の効き目の違い(クリックorタップで関連記事に移動)
医療用のメジコンと同量の有効成分を配合したメジコンせき止め錠Proの特徴
- メジコンせき止め錠Proは1955年から処方されているメジコンの有効成分をそのままに市販薬化したものでデキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物1つの単剤です

メジコンせき止め錠Proは長期連用で依存性のリスクを持つコデインと違って、依存性の心配がないデキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物と呼ばれる咳止め薬が配合されています。
デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物はコデインと同等の咳を鎮める効果があり、コデインの服用で起こりやすい便秘の副作用も少ない咳止めのお薬です。
メジコンせき止め錠Proは、細菌やウイルスなど異物を追い出そうとするせき中枢神経に働きかけて咳を抑えたり、気管支を広げることによって呼吸をしやすくして咳を抑えてくれます。
デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物は咳を抑えてくれる代わりに眠気の副作用があるので、服用後は車の運転または機械類の操作にご注意ください。
メジコンせき止め錠Proはほかの市販の咳止め薬と比べて効き目は強い?
- メジコンせき止め錠Proは医療用のメジコンと同じデキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物(咳止め成分)を1日量合計90mgを配合しています

一例としてパブロンせき止めトリプル錠は1日量45mg。プレコール持続性せき止めカプセルや新コンタックせき止めダブル持続性は60㎎です。
医療用医薬品は医師が患者に合わせてオーダーメイドで薬を組み合わせて処方するため、処方薬は1つの医薬品に1つの成分の単剤なのに対して、
市販薬のせき止めの多くは、咳止め成分のほかにたんをさらさらにして出しやすくするお薬やのどや鼻の炎症を鎮める成分など複数の成分を配合しています。
せきを止める効果はせき止めの成分単体で決まる訳ではありませんので、市販薬の中でメジコンせき止め錠Proが特筆してせきを止める効果が高いという訳ではありません。
たんの粘り気をさらさらにして出しやすくするムコダイン去たん錠Pro500の特徴
- ムコダイン去たん錠Pro500は医療用のムコダイン錠500mgと同じ量のカルボシステインを含む去痰薬です(1日3回で1日量1,500mg)

たんは通常無色透明に近くさらさらしていますが、風邪をひくと白血球に退治されたウイルスや細菌の死骸が粘り気のあるたんに混じって体外に排出されます。
のどに粘り気のあるたんが絡みつくとたんのからんだ咳が何度も続きすっきりしないので、ムコダイン(カルボシステイン)はたんのキレをよくして不快感を緩和します。
咳はウイルスや細菌を外に追い出す身体の防御反応ですので、たんが絡む咳が出る場合は安易に咳を止めずに去たん薬を服用した方がよい場合もあります。
去たん薬のカルボシステインはせき止め薬と比較すると体感が遅く、市販薬では「アンブロキソール」や「ブロムヘキシン」等。ほかの成分との複合剤であることが多いです。
ムコダイン去たん錠Pro500と同じカルボシステインが配合された市販薬

- 佐藤製薬ストナ去たんカプセル(L-カルボシステイン1日量750mgとブロムヘキシン塩酸塩12mgを含む去たん薬)
- 浅田飴去痰CB錠(L-カルボシステイン1日量750mgとブロムヘキシン塩酸塩12mgを含む去たん薬)
- 湧永製薬セキセチン去たんカプセル(L-カルボシステイン1日量750mgとブロムヘキシン塩酸塩12mgを含む去たん薬)
- 中央製薬ビタトレール去たん錠(L-カルボシステイン1日量750mgとブロムヘキシン塩酸塩12mgを含む去たん薬)
- 杏林製薬クールワン去たんソフトカプセル(L-カルボシステイン1日量750mgとブロムヘキシン塩酸塩12mgを含む去たん薬)
ご参考になれば幸いです