お薬の疑問

【熱中症】梅雨明けの急に暑くなった時期は要注意。食べ物で摂れる天然の経口補水液

2018-07-17

環境省では毎年、熱中症予防のために「暑さ指数(WBGT)」と「熱中症予防指針」というガイドラインを発表しています。

熱中症は屋外でかかるイメージが強いですが、熱中症は外出先よりも自宅から緊急搬送された人の割合が多いことが報告されています。

まだ身体が暑さに慣れていない梅雨明け前後の今の時期は、急な気温の上昇で熱中症にかかりやすく危険です(暑さに順応する暑熱馴化は暑くなってから7日ほどかかります)

また、熱中症は気温の高い時期だけでなく、梅雨明け前や深酒による二日酔い。寝不足、海水浴にいったあとなどにも起こりやすくなります。

この記事では、真夏より気温が低くても熱中症にかかる理由と熱中症予防にお勧めの食べ物をご紹介します。

梅雨の晴れ間や梅雨明けの急に暑くなったときは熱中症に要注意

身体が暑さに慣れる暑熱馴化(しょねつじゅんか)ができていないこの時期は、熱中症にかかりやすい時期です。

梅雨の晴れ間は寝不足による体調不良も重なりやすい時期で、睡眠不足は自律神経の働きをにぶりらせ、熱中症にかかりやすくなります。

また、この時期はビールが美味しくなってくる季節ですので、深酒による二日酔いが増えます。お酒の飲みすぎはアルコールの分解とともにからだの水分も奪いますので注意してください。

さらに梅雨があけると海開きも近づいてきます。海水浴にいった後は日差しに照らされて、多くの水分とナトリウムが消費されています。海に行った次の日は熱中症になりやすいので要注意です。

環境省の熱中症予防情報サイト

熱中症予防の知りたい疑問が「環境省熱中症予防情報サイト」と「環境省動画チャンネル」の2つにまとまっていますので、ご興味のある方はホームページを見てみてください。

環境省の熱中症予防の取り組みとしてテキストベースの「環境省熱中症予防情報サイト」やYouTubeによる「環境省動画チャンネル」が公開されています。

例えば、テキストベースの熱中症予防情報サイトでは、「暑さ指数(WBGT)」「熱中症の基礎知識」「熱中症の対処方法(応急処置)」など。熱中症について知っておきたい情報がわかりやすくまとめられています。

またYouTubeを使った「環境省動画チャンネル」では、タレントとのトーク番組形式で基礎知識を紹介した動画や専門的な知識を講義形式で学べる熱中症対策講義シリーズ15本が無料で提供されています。

熱中症予防におすすめな天然の経口補水液

日本人の生活のなかには、味噌を使ったお味噌汁や梅かゆ、豆乳飲料など。電解質の補給に最適な「暮らしに根ざした天然の経口補水液」があります。

例えば、水分・塩分・炭水化物を補うのにはあたたかい梅粥が向いています。梅干に含まれるクエン酸には唾液の分泌を促進し、夏の暑さで弱った胃腸の消化吸収を助けます。

また、人は睡眠時に寝汗などでペットボトル1本以上の水分と電解質を消費しています。脱水症状の解消のためにも、起きぬけの朝に一杯のお味噌汁を摂ることをおすすめします。

お味噌汁は、水分・塩分・炭水化物が同時に摂れる自然の経口補水液です。夏の暑さには冷たいお味噌汁と梅干をお粥にひとつ入れましょう。

バナナやスイカ、豆乳(豆類)にはカリウム(電解質)がたっぷり含まれています。

バナナには吸収される時間の異なる糖質が複数含まれていて、エネルギーの補給源として長時間活躍してくれます。スイカは90%は水分で、カリウム(電解質)の豊富な果物です。

バナナやスイカは、ほんの少しお塩を足すだけで甘味が引き立ち、塩分とカリウムがバランスよく摂取できます(汗をかくとカリウムが失われ、電解質バランスの崩れによって熱中症にかかりやすくなります)

豆乳には汗と一緒に出て行きやすいカリウムをはじめ、ナトリウム・カルシウム・マグネシウムなど電解質がたっぷり含まれています。

豆乳というと美味しくないイメージがありますが、キッコーマンのバナナ豆乳は意外に美味しいのでお子さんでもゴクゴク飲めします。

ご自宅で簡易経口補水液を作る場合

簡易経口補水液ならご自宅でも作ることができます。材料は、一度火に掛けて沸騰させて冷ました蒸留水か、硬度の低い軟水1リットルに対して、

お塩・・・小さじ1/2(3g)、砂糖(上白糖)・・・大さじ4と1/2(40g)をきっちり計って、均等に混ざるまでかき混ぜるだけです(※硬水はカルシウムやミネラル分が多く含まれるため、経口補水液作りに向いていません)

ただし、毎日続けるには準備する手間があったり、1回きりで保存が利かないこと、市販のものと比べて電解質の吸収率が低いなどデメリットもあります。

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