お食事を通して吸収された栄養は、胃や小腸の消化酵素によって分解され、最終的には大腸から吸収されていきます。
お通じがスムーズな方は、栄養を吸収した後の老廃物は便としては排出されますが、便秘が長く続けば続くほど老廃物の腐敗が進み「腸内環境の悪化は悪⽟菌の増殖しやすい環境」になります。
よく便秘になると肌まで荒れた経験がある方は多いですが、便秘が長引くと大腸に溜まった老廃物から余計なものまで吸収して、吹出物など肌トラブルが起こりやすくなってしまいます。
冷え性と便秘の関係
冷え性と便秘の関係性を知らない方からしてみれば、「便秘なのに何故身体を温める冷え性の生薬が必要なの?」と疑問に思われると思いますよね。
例えば、⾎液の流れが悪く冷え性になってしまっている身体は、消化器官の基礎代謝が落ちて栄養を吸収分解する胃腸の働きも弱まっている状態です。
消化器官を含む内臓が活発に動いていると熱を作り出しますが、消化器官の基礎代謝が落ちると内臓が冷えて冷え性にも悩まされます。
肌荒れは便秘の副産物
私たちが口にした栄養素は、ぜん動運動を通して、胃から小腸、大腸を通過する間に水分に至るまで徹底的に吸収されます。
老廃物を排出するぜん動運動も滞りがちになると、便として出るべき老廃物がいつまでも体内に残ります。大腸は残った便からも必要以上に水分を吸収しようとするので、よりカチカチの便になります。
便秘は⽼廃物や毒素が腸の中に蓄積された状態ですので、お腹を温め、胃腸の働きを元気にすることは、便秘と肌荒れ、冷え性の解消にもつながります。
冷え性と便秘の関係性に着目した生薬由来の便秘薬
冷え性と便秘の関係性に着目した便秘薬としては、山崎帝國堂さんの「ベルリーナ L」と、摩耶堂製薬さんの「⼗⽅便秘薬」などがあります。
どちらもトウキ(セリ科の植物の根を乾燥したもの)やケイヒ(シナモン)、ショウキョウ(生姜)など身体を温める生薬が配合されていて、冷え性に悩む女性におすすめの漢方便秘薬です。
便秘を解消する成分には「プランタゴ・オバタ」「ダイオウ、センナ、アロエ」など植物由来の便通生薬(食物繊維)が配合されています。
植物由来の便秘薬のデメリット
植物由来の便秘薬ですと副作用もなく、身体に優しいと毎日長期間連続して服用される方がいらっしゃいます。
ですが、植物由来の便秘薬でも「便秘薬の長期連用」は腸が刺激に慣れて、便が出にくくなるなど副作用のリスクも高くなります。
例えば、植物由来の便秘薬に配合されていることでおなじみの「センナ・大黄・アロエ」は、長期間毎日使用することは避けてください。
妊娠中・授乳中の便秘薬は要注意です
妊娠中に便秘薬を使用すると早産や流産など出産に対するリスクになります。
また、「センナ・センノシド・ダイオウ」など妊娠中の人はもちろん、授乳中の人でも母乳から成分が赤ちゃんに渡って下痢を起こす可能性があります。
例えば、センナの成分(センノシド)は、成分が排出されるまで半日程度かかるため、服用の際は使用上の注意の「してはいけないこと」と「相談すること」に目を通してから使用してください。
ベルリーナ L
- プランタゴ・オバタ種皮末【便通生薬】
- センノシド【便通生薬】
- トウキ末【温腹生薬】
- ケイヒ末【温腹生薬】
⼗⽅便秘薬
- ダイオウ末【便通生薬】
- センナ末【便通生薬】
- アロエ末【便通生薬】
- シャクヤク末【鎮痛生薬】
- カンゾウ末【鎮痛生薬】
- ケイヒ末【温腹生薬】
- ショウキョウ末【温腹生薬】
- ガジュツ末【温腹生薬】