貧血のくすり

【ファイチの疑問】 効果がでるまでの期間はどのくらい?毎日飲むことによる鉄の過剰症が心配という方に

2019-12-07

健康診断で貧血の数値がひっかかって、「何か鉄分を摂らなきゃ」とアレコレ悩んで小林製薬のファイチを試そうとする方は多いですよね。

よく店頭では「効果がでるまでどのくらい?」とか「ヘモグロビン値9きってるけど大丈夫?」「妊娠中・授乳中は?」などなど。

ファイチを購入する前に聞いておきたい疑問点についてご相談をお受けすることがあります。

ファイチは試したひとの口コミも耳にしやすいので、購入前だけでなく飲み始めてからも「もしかしたら私の貧血には効かないかも」と半信半疑になりやすい商品です。

この記事では、ファイチを納得して飲み続けたいひとのために「効果がでるまでどのくらい飲み続ければいいですか」など。ご相談の多い疑問をご紹介します。

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ファイチが効かなかったり人によって効果が出るのが遅い理由

  • 貧血の症状を楽にするには「毎日の鉄分の収支を正常な状態に戻す」ことと「貯蔵鉄」を満たす必要があります

ファイチで補給した鉄分はすぐに貯蔵鉄として蓄えられるわけではありません。鉄分は必要とされる身体の各部位に回されてから、最後に貯蔵鉄として蓄えられます。

鉄不足が原因の貧血は、肝臓などに蓄えられている貯蔵鉄(フェリチン)が一定以上に回復すれば症状が治まります。

ただ、あなたの身体にどれくらい鉄が足りてないかによって、「貧血の症状が出ないくらいまで貯蔵鉄を満たす期間」には個人差があります。

例えば、ファイチの販売元の小林製薬さんでは、貧血を起こさないために貯蔵鉄を補給するなら約4ヶ月~半年程度は続けることが推奨されています。

半年程度続けるとヘモグロビンやフェリチンなど検査数値が改善して、ちょっとした鉄不足では貧血に悩まされにくくなります。

女性が鉄分を失う原因の1位は生理によるものですので、鉄剤などで貯蔵鉄を減らさないように心がけてください。

関連記事【ヘモグロビン・フェリチン】貧血の症状がない鉄不足と鉄欠乏性貧血の違いについて(タップorクリックで関連ページに移動します)

ファイチはどの貧血にも効果がありますか?

  • ファイチの効能効果にはシンプルに「貧血」としか書かれていないので、「私の症状にも効くのかな」と不安になる方が多いです。

鉄欠乏性貧血の症状は身体の鉄分不足を知らせる危険信号(シグナル)です。立っているのがつらい、疲れやすい、頭痛や肩こりがひどいなど。症状の起こり方もひとそれぞれで違います。

ファイチは身体の鉄分不足で起こる貧血の改善を目的につくられていますので、鉄分を補給してあげればぐっとラクになる「鉄欠乏性貧血」なら良くなります。

例えば、ヘモグロビンの数値が11g/dLを少し下回るくらいの軽い貧血の場合だと、飲みはじめて1ヶ月を超えたあたりから「貧血の自覚症状が少しだけマシかも?」と感じている方が多いです。

ただし血液中のヘモグロビン濃度が7g/dLなど低い重度の鉄欠乏性貧血の場合は逆効果になります。

重度の貧血の場合。ファイチを服用していても必要とする鉄分を満たしきれないので、「かえって貧血の数値が悪化した」ということが起こります。

病院では市販の数倍の濃度の鉄剤も処方してもらえますし、副作用があればすぐに対応してもらえる安心感もあります。

関連記事市販の貧血の薬・鉄剤(医薬品)で対応できる許容範囲を超えている貧血について(タップorクリックで関連ページに移動します)

ファイチを毎日飲むことによる鉄の過剰症の心配について

  • ファイチは決められた用法用量を守っている限りは毎日飲んでも過剰症の心配はありません

ファイチの服用を続けられている方のなかには、鉄剤を毎日飲むことによって起こる鉄の過剰症を心配される方もいらっしゃいます。

ファイチには10mgの鉄分が配合されていますが、そのうち吸収されるのは1~2mgと低めです(溶性ピロリン酸第二鉄79.5mgという数字は、鉄とピロリン酸という名前の食品添加物の合計です)

例えば、「厚生労働省日本人の食事摂取基準2020」では15歳以上の女性の耐容上限量は 40 mg/日です。

食事から摂る日本人の平均的な鉄の摂取量は1日あたり約7~8mgですので、ファイチ(10mg)と食事をあわせても耐容上限量を上回る心配はありません。

ただし、鉄分をより多く摂る目的で、「朝晩2錠ずつ(合計4錠)」のように錠数を増やすのは止めてください。

ファイチの決められた錠数以上の飲みすぎは、鉄剤による吐き気腹痛など。胃腸障害のリスク(副作用)を増やすだけです。

ファイチの胃がムカムカしにくい服用タイミングについて

  • ファイチは食後の服用であれば朝昼晩いつ飲んでもOKですが飲み忘れもなく食べ物がクッションになってくれる朝食後の服用がおすすめです

ファイチは胃で溶けずに腸で効果を発揮する腸溶性フィルム錠を採用していますが、匂いや味は消せてもほかの鉄剤と比べて特に胃腸障害のリスクが軽減されているわけではありません。

吐き気・嘔吐・食欲不振・胃部不快感・腹痛・下痢・便秘など。鉄剤の副作用(胃腸障害)を避けるために、寝る前や空腹時の服用は控えた方が安心です。

また、ファイチにはたくさんの鉄分が配合されていますので、便といっしょに吸収しきれなかった鉄分が排出されます。

ファイチを服用すると鉄分を多く含んだ黒色便になります。鉄分を含んだ鉄分は固くカチカチなので、女性の場合便秘になりやすいです。

便秘を解消するために便秘薬(酸化マグネシウム)を服用される方もいらっしゃいますが、鉄剤の服用後最低2時間以上は時間をずらすようにしてください。

酸化マグネシウム(ミネラル成分)を配合した便秘薬は、鉄剤の吸収に影響を及ぼす場合があります。

関連記事市販の貧血薬で便秘になったら見直したいことと対処法(タップorクリックで関連ページに移動します)

妊娠中と授乳中のファイチの服用について

  • ファイチには赤ちゃんに影響を及ぼす成分は配合されていませんので妊娠中や授乳中でも服用できます

ただし、妊娠中は胎児の成育に必要な鉄の需要が急激に増えますのでファイチだけでは必要量を満たせない場合があります。

妊婦さんまたは妊娠していると思われる方は、服用前にかかりつけの医師にご相談いただいたうえでご使用するようにお願いします。

また、授乳中のお母さんは、母乳をつくるのに鉄分が多く要りますので積極的にファイチを活用してください。不足する鉄分を補うだけでも疲労感の感じ方もだいぶ変わります。

授乳中のお母さんに必要な鉄分量は、授乳期以外の女性に比べてプラス2mg/日(推奨量としては2.5mg/日)増加します。

市販の鉄剤で一日あたりの費用を比べて買いたい方は、「関連記事【市販の増血剤】コスパから比較した続けやすい貧血の医薬品」も参考にしてみてください。

 

 

ご参考になれば幸いです

 

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