一昔前には「水虫の治療薬を発明したらノーベル賞」とまで言われていた水虫も、現在では完治を目指せる病気となっています。
ネットでの医薬品販売が解禁されて以来。人目を気にせず、しかも「お値段」もかなりお値打ちに購入できるようになりました。
特に2002年以降は、病院でしか使われなかった効果の高い有効成分が市販薬でも発売されています。
2002年以降に一般薬化された成分は、それまでの抗真菌薬と比べて高い白癬菌の抑制力(MIC)を持っていますので、水虫治療に十分すぎる効果をもっています。
これらの抗真菌剤が配合された市販薬は、どれも1%の濃度に整えられてますので、同じ成分なら製品によって殺菌力の強さが変わることはありません。
市販の水虫薬を使って水虫を完治させるポイント
市販の水虫薬を選ばれるときは、殺菌力の高いラノコナゾール・塩酸ブテナフィン・塩酸テルビナフィンの3種類のいずれかが配合された製品を選ぶことが水虫完治への近道です。
患部に塗布するときは塗り残しがないよう、指の間、⾜の裏、⼟踏まず、かかとなど水虫の患部を周りから封じ込めるよう広めに塗ってください。
「第3世代の水虫薬は高いからともったいない」と塗る量を抑えた場合、塗りもらした部位から⽣き残った菌が増殖し、症状がぶり返します。
水虫は表面の症状が消えてからも1〜2ヵ⽉程度は継続してください
新陳代謝によって古い⾓質層の奥深くにいる白癬菌が押し出されるまでには、最低でも2ヵ月以上はかかります。
水虫は、角質層の奥深くまで白癬菌が根を張っている状態です。水虫薬1本では皮膚表面の水虫が治っても、角質層の水虫菌は退治できていない状態です。
よく症状が治まったからと途中で治療止められる方がいらっしゃいますが、中途半端な水虫薬の使用は生き残った白癬菌が息を吹き返してしまうので症状がぶりかえします。
Amazonの水虫薬ランキングから選ぶポイント
水虫薬を購入される方のなかには、趾間(しかん)型・小水疱型・角化型など、「患部の症状にあわせてどの薬剤を使えばいいか分からないし面倒」と感じている方も多いのではないでしょうか。
水虫薬は、「軟膏・クリーム・液剤・スプレー」など剤形で薬の効き目が変わることはありません (ただし、患部にあわせて使い分けた方が皮膚への刺激感や、皮膚への塗りやすさなど使用感が向上します)
適した症状 | ジュクジュク水虫 (趾間型) |
ブツブツ水虫 (小水疱型) |
角質化水虫 (角化型) |
---|---|---|---|
繁殖しやすい場所 | 主に足の指の間 | 主に足の裏・側面 | かかと |
クリーム・軟膏 | ◎ | ○ | ◎ |
液 | △ | ○ | △ |
スプレー・ジェル | ○ | ◎ | △ |
パウダー | ◎ | ○ | △ |
ブテナロックVαクリームの特長
- 趾間(しかん)型・小水疱型・角化型など患部の症状を問わず使える万能型
かゆみ止め成分と患部の炎症と化膿を抑える成分をバランスよく配合していて、ジュクジュク水虫・ブツブツ水虫・乾燥したカサカサ水虫(角質化水虫)に満遍なく使用できます。
市販薬でもっとも多い4種類のかゆみ止め成分を配合しているので、特にかゆみを鎮めたい方に向いている水虫薬です。
また、l-メントールとイソプロピルメチルフェノールが配合されているので、臭いの原因菌もしっかり殺菌できます。
デメリットとしては、メントールが配合されているのでスーッとした清涼感が特徴ですので、苦手な方は他の水虫薬を選んでください。
個人的な使用感では、塗った後のベトベト感も気にならず、清涼感も心地よいと感じる程度でしたので、成分も満遍なく配合したこの1本を選んでおけば間違いないと思える頼りになる水虫薬です。
【水虫に効く有効成分】
有効成分:ブテナフィン塩酸塩
そのほかの有効成分:(かゆみ止め成分)ジブカイン塩酸塩・クロルフェニラミンマレイン酸塩・l-メントール・クロタミトン (殺菌消毒成分)イソプロピルメチルフェノール(抗炎症成分)グリチルレチン酸
参考ブテナロックVaクリームと同成分の水虫薬
ブテナロックVaクリームは続けていくには割高と感じる方は、同じ成分を同濃度配合したビタトレールヒフールV7水虫クリームを選んでください。
製造販売元の万協製薬株式会社さんは、大手製薬メーカーの医薬品の受託生産(アウトソーシング)も請け負う製薬メーカーさんです。一般的な知名度は低いですが、ドラッグストアさん独自企画商品の製造開発にも実績のある会社です。
これらの製品は、平たく言い直せばブテナロックVaクリームのジェネリックのようなものです。広告関連費を抑える代わりに安価に製造されているので安く購入できるメリットがあります。
万協製薬株式会社さんは、AmazonのOEM医薬品の受託生産も請け負っていて。水虫薬ではブテナロックVaクリームと同濃度同成分の「【指定第2類医薬品】 PHARMA CHOICE 水虫治療薬 キルカミンV8水虫クリーム 30g」の製造販売元でもあります。
【水虫に効く有効成分】
有効成分:ブテナフィン塩酸塩
そのほかの有効成分:(かゆみ止め成分)ジブカイン塩酸塩・クロルフェニラミンマレイン酸塩・l-メントール・クロタミトン (殺菌消毒成分)イソプロピルメチルフェノール(抗炎症成分)グリチルレチン酸
ラミシールATクリームの特長
- 白くふやけて皮がむけるような症状の軽い水虫に
ラミシールATクリームは、殺真菌作用と角質層への浸透力と貯留性に優れたテルビナフィン塩酸塩を採用した水虫薬です(第3世代抗真菌薬)
有効成分がテルビナフィン塩酸塩1種類のため、テルビナフィン塩酸塩配合の水虫薬の中では比較的安価に購入できます。
デメリットとしては、かゆみ止めや抗炎症成分が配合されていないので、かゆみや炎症が強い場合には、他の製品を選択してください。
【水虫に効く有効成分】
有効成分:塩酸テルビナフィン
そのほかの有効成分:なし
ラミシールDXクリームの特長
- 抗真菌剤単体のラミシールATクリームに「かゆみ止め」「抗炎症成分」「清涼感」をもたらす成分を追加した製品です
ラミシールDX(クリーム)は、皮膚をやわらかくする尿素が配合されているので、角質化したゴワゴワ水虫にも有効成分が深く浸透します。
デメリットとしては、尿素が配合されているので、ゴワゴワ水虫でも患部がパカッっと割れた傷口には不向きです(傷口が刺激された非常に痛みます)
またメントールが配合されているので、清涼感が苦手な女性は、同じ尿素が配合されたメンソレータム エクシブWディープ10クリームをんでください。
【水虫に効く有効成分】
有効成分:塩酸テルビナフィン
そのほかの有効成分:クロタミトン・グリチルレチン酸・l-メントール・尿素
メンソレータム エクシブWディープ10クリームの特長
- 抗真菌剤+皮膚をやわらかくする尿素10%配合でかかとや足裏など角質化した水虫によく効きます
メントールが配合されていないので、スーとする刺激が苦手な女性の方にもおすすめできます。かゆみを抑える効果が強いので、かゆみが気になる水虫にも。
速乾性でベタベタしにくく、尿素が乾燥して角質化した⾜の裏やかかとをやわらかくして、⾓質層の奥の白癬菌まで退治してくれます。
35gと他の水虫薬よりたっぷり量がありますので広範囲に使用できます。足のにおいが気になる方にも、イソプロピルメチルフェノールが原因菌を殺菌してくれます。
デメリットとしては、ラミシールプラス・DXクリームと同じく尿素が配合されていますので、傷口が露出したパックリ水虫には不向きです。
尿素の配合されていないメンソレータムエクシブWクリームか、他のメーカーの軟膏タイプの製品を選んでください。
【水虫に効く有効成分】
有効成分:塩酸テルビナフィン
そのほかの有効成分:イソプロピルメチルフェノール・尿素・リドカイン・ジフェンヒドラミン塩酸塩 ・グリチルレチン酸
メンソレータム エクシブWきわケアジェルの特長
- 薬が届きづらい爪ぎわの細かい水虫に
「メンソレータム エクシブWきわケアジェル」は水虫薬には珍しいジェルタイプのお薬です。爪際の水虫は放置しておくと繁殖して見た目が汚くなります。
ジェルタイプは浸透がよく貯留性も高いので、治療薬がなかなか届きづらい爪ぎわに潜む水虫の治療におすすめです。
デメリットとしては、「メンソレータム エクシブWきわケアジェル」は爪ぎわの水虫には効果がありますが、爪のなかに繁殖した爪白癬には効きません(爪白癬は内服薬など医療機関での治療が必要になります)
【水虫に効く有効成分】
有効成分:塩酸テルビナフィン
そのほかの有効成分:イソプロピルメチルフェノール・リドカイン・ジフェンヒドラミン塩酸塩 ・グリチルレチン酸
ピロエースZ軟膏の特長
- ジュクジュク水虫が特にひどい方に
ピロエースZ軟膏は、第3世代の水虫薬のなかで唯一軟膏を使用した水虫薬です。軟膏は伸ばしにくい代わりに弾力があって、患部を保護する効果に優れています。
軟膏はクリームより皮膚への刺激も少ないため、ジュクジュク水虫や、かきこわしなど、炎症のひどい水虫に最適な薬剤です。
配合されているラノコナゾールは、市販薬で最も強い白癬菌の抑制力(MIC)をもつ成分になりますので、症状を悪化させず患部に潜む白癬菌をしっかり退治します。
デメリットとしては、軟膏は油分を含んでいるのでベタつきやすく、伸ばしにくいので広範囲に塗るのには向いていません。かゆみ止め成分が配合されていないので、かゆみの強い水虫には不向きです。
【水虫に効く有効成分】
有効成分:ラノコナゾール
そのほかの有効成分:イソプロピルメチルフェノール(殺菌消毒成分)グリチルレチン酸(抗炎症成分)
ピロエースZ液の特長
- 患部がカサカサしてかゆみも強い水虫に
ピロエースZ液には、クロルフェニラミンマレイン酸塩・クロタミトン・グリチルレチン酸・l-メントール の四種類のかゆみ止めが配合されています。
速乾性があり浸透性にも優れているので、かゆみが強いカサカサ水虫にはピロエースZ軟膏よりピロエースZ液を選んでください。
デメリットとしては、アルコールを使用した基剤なので、ジュクジュクした患部にはしみるので不向きです。また、化膿を防ぐ成分が入っていません。
【水虫に効く有効成分】
有効成分:ラノコナゾール
そのほかの有効成分:(かゆみ止め)クロルフェニラミンマレイン酸塩・クロタミトン ・l-メントール(抗炎症成分)グリチルレチン酸
ダマリングランデXの特長
- 指の間に繁殖するジュクジュクした水虫の患部にも
ダマリングランデXは白癬菌を殺菌する塩酸テルビナフィンのほかに、患部を殺菌・消毒し、 患部の炎症を改善する成分や、 患部のかゆみ・痛みを一時的にしずめる5つの成分を配合しています。
清涼感を与えるメントールも配合し、さらっと乾くぬりごごちに優れた水虫薬です。
デメリットとしては、清涼感が強めなので、スーとする刺激が苦手な方は他の水虫薬を選んでください。
【水虫に効く有効成分】
有効成分:塩酸テルビナフィン
そのほかの有効成分:イソプロピルメチルフェノール・リドカイン ・グリチルレチン酸・l-メントール
参考ウンデシレン酸について
水虫の最終兵器的な扱いで紹介されているウンデシレン酸(代表的な製品:エフゲン)ですが、ウンデシレン酸の殺菌力は第3世代の抗真菌剤よりは弱く、昔からある古い成分になります。
インパクトのある写真を載せていらっしゃる方が多いので殺菌力の強い成分と誤解されがちですが、皮膚糸状菌の発育を抑える作用が穏やかな成分になります。
ウンデシレン酸・ウンデシレン酸亜鉛は、ヒマシ油を高熱で分解して作られる脂肪酸の一種です。「ウンデシレン酸・ウンデシレン酸亜鉛」は患部を酸性にすることで水虫の繁殖を抑えます。
ただし、ラノコナゾール・アモロルフィン・塩酸ブテナフィン・塩酸テルビナフィン・塩酸ネチコナゾールと比べると殺菌力の弱い成分になります。
「水虫・たむし」の治療薬であるウンデシレン酸・ウンデシレン酸亜鉛は作用が穏やかな分。ほかの成分でかぶれやすいひとの代替品としてご提案する場合もあります。
ご参考になれば幸いです。