水虫のおくすり

市販薬で治せる足白癬と医療機関での治療が必要な爪白癬の違い

2019-04-04

水虫には市販の水虫薬で治せる足白癬(足水虫)と、医療機関で内服薬や外用薬での治療を必要とする爪白癬(爪水虫)があります。

例えば、ブテナロックやラミシールなど。「殺菌力の強い水虫薬を使えば爪白癬も治りますか」とご相談をお受けすることがありますが、爪のなかに繁殖した白癬菌は市販の水虫薬では退治できません。

爪の色が白色または黄白色に変色した爪白癬は、足白癬のような痛みやかゆみがないので放置されがちですが、一度発症すると治りにくい皮膚疾患です。

爪白癬は市販の水虫薬を塗り続けても効果がないため、医療機関で白癬菌を殺す作用のある抗真菌薬(飲み薬・塗り薬)を処方してもらってください。

この記事では、市販の水虫薬で治せる足白癬と、医療機関での治療を必要とする爪白癬(爪水虫)の違いをご紹介します。

爪白癬が市販の水虫薬で治療できない理由

  • 爪白癬は市販薬を使用せず医療機関で内服薬や外用薬を処方してもらってください

足白癬は白癬菌が比較的皮膚の表層にいるため、有効成分が浸透しやすく退治しやすいです。これに対して、爪白癬は有効成分が届きにくい患部に繁殖します。

爪白癬(爪水虫)に感染した状態から健康な爪を取り戻すためには、医療機関で内服薬や市販薬よりも高濃度で爪に浸透しやすい外用薬を使って治療する必要があります。

例えばネイリン・ラミシール・イトリゾールなど内服薬の場合。有効成分が血液の流れにのって爪に運ばれ、外用薬では届きにくい患部に内側から作用します。

クレナフィンやルコナックなど爪白癬専用の医療用外用抗真菌薬は、爪の表面に塗ることによって爪のなかや爪床(爪の裏側の皮膚)に繁殖した白癬菌の活動を抑えます。

爪白癬に感染した爪の中には大量の白癬菌が繁殖しているため、放置していると水虫の繁殖部位が拡がって足白癬の悪化にもつながるので注意が必要です。

爪白癬は足白癬の白癬菌が爪の中に繁殖したもの

  • 爪の内部に住みついた白癬菌は、きちんと治療しなかった足白癬(足水虫)の菌が爪のなかに侵入したものです

足の指などに繁殖した白癬菌は、足白癬の患部から爪の裏と接している皮膚(爪床)から侵入し、爪のなかで繁殖したものが爪白癬です。

爪白癬は自覚症状がないので気になりませんが、悪化すると白色または黄白色に変色し爪が厚く肥大したりくさび形に爪が変形したりします。

爪白癬は最初のうちは1カ所の爪だけに見られますが、治療をしないと徐々に他の爪にも感染が広がっていきます。

爪が厚く変形したり、もろく崩れやすい状態が悪化すると爪の変形によって生じる痛みから歩行に障害をきたす場合があります。

爪が新しく生えかわるまでは早くても約6ヶ月〜1年間程かかりますので、爪白癬は早めの治療をこころがけてください。

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爪白癬が完治するまでの期間の目安

  • 爪白癬の処方薬は白癬菌を殺菌する効果はありますが変形変色した爪を元に戻す修復作用はありません

爪白癬は、白癬菌に感染した爪が健康な爪の成長によって押し出され置き換わることによって完治します。

個人差はありますが、人間の足の爪は1ヵ月に約1.5mm程度伸びる前提で計算すると約1~1年半で健康な爪に生え変わります。

ただし、見た目が綺麗になっても白癬菌が患部に残っている場合は再発することがありますので、自己判断で中断しないでください。

例えば、3ヶ月で通院が終了する内服薬治療であっても、その後きれいな爪に生え変わるまでにそこから数か月〜1年程度の経過観察があります。

外用薬の場合は、約6ヶ月〜1年間程度健康な爪に置き換わるまで薬剤を塗り続けて治療が完了します。

爪白癬は市販薬には頼らず、専門医の指導の下で内服薬や外用薬を使って治療を継続するようにしましょう。

 

 

ご参考になれば幸いです

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