口内炎・口唇ヘルペスのおくすり

口内炎の治療に効果のある市販薬の違い

2018-08-15

睡眠不足による過労やストレス。食生活の偏りで胃腸の働きが弱ると粘膜を守る抵抗力が落ちて、⼝の中にアフタ性口内炎と呼ばれる疼痛を伴う口内炎ができます。

アフタ性⼝内炎は、歯が当たりやすい頬の内側や、唇の裏や⾆などにできやすく。周りの粘膜に比べて周囲が⾚く腫れて⽩っぽくくぼんだ潰瘍ができるのが特⻑です。

一般的なアフタ性口内炎は「口腔内や唇、歯ぐき」に出来て1~2週間程度で治りますが、「疲労やストレスの蓄積などで抵抗力が落ちたまま」だと繰り返し再発します(再発性アフタ性口内炎)

何度も出来るアフタ性口内炎は、疲労やストレスを知らせる身体のサインです。

この記事では、口内炎に効く外⽤薬と内服薬の特徴をご紹介します。

口内炎の種類別市販薬の特徴

市販薬には、塗り薬、貼り薬、うがい薬、スプレー薬など外⽤薬と、トラネキサム酸のような抗炎症成分や粘膜の再⽣を促進するカンゾウやビタミンを配合した内服薬、生薬が中心の漢方薬があります。

 

口内炎の治療薬には、頬や唇の内側など吸着して、貼ってはがれにくい「貼るタイプ」と、患部に直接有効成分を塗布する「塗るタイプ」がメインですが、

 

貼り薬や塗り薬の異物感が苦手な方には、広範囲に手を汚さず使用できる「スプレータイプ」や、口腔内を殺菌する「うがい薬」で対応してください。

 

これらの口内炎の市販薬は、ビタミンを配合した「内服薬」と併用できるので、身体の内外側両面から口内炎の治りを早めてくれます。

口内炎の内服薬の有効成分

おもに、皮膚や粘膜を正常に保つ水溶性ビタミンが配合されています。

有効成分のはたらき

  • ビタミンB1は、健康な皮膚や粘膜の維持を助けるビタミンになります。
  • ビタミンB2は、ビタミンB6とともに脂質・タンパク質の代謝に関与し、肌細胞の再生や成長を促進させ粘膜のターンオーバーを正常化させる皮膚のビタミンです。
  • ビタミンB6は、細菌やウイルスなどから皮膚を守る免疫機能の維持に重要な、皮膚や粘膜を正常に保つビタミンです。
  • ビタミンCは、 コラーゲンの合成に関わる栄養素で、毛細血管や皮膚・粘膜の維持や、抗酸化作用により皮膚を健康に保つはたらきがあります。
  • ビタミンEは、抗酸化作用によって細胞の正常なはたらきを助けるビタミンです。血行促進作用により、患部のうっ血を改善する効果があります。
  • ビオチン・パントテン酸カルシウム・ニコチン酸アミドは、ビタミンB群の一種で、皮膚や粘膜を正常に保つはたらきがあります。
  • トラネキサム酸は、身体の内側から痛み・腫れを抑える抗炎症成分で、皮膚の修復を手助けする目的で配合されています。

内服薬を選ぶポイント

口内炎の内服薬は、内側から粘膜のはたらきを整える「ビタミンC」と「ビタミンB群」を補給することで口内炎を修復します。

 

口内炎の腫れ(炎症)や痛みがひどい場合は、飲む抗炎症成分の「トラネキサム酸」が配合された医薬品を選んでください。

 

「トラネキサム酸」配合の代表的な市販薬には、第一三共ヘルスケアの「トラフル錠」「ペラックT錠」などがあります。

関連情報(簡易版)ビタミン不足によって出てくる症状ごとのワンポイント

口内炎の塗り薬・貼り薬・スプレー有効成分

ステロイドと非ステロイドでは、腫れや痛みを抑える抗炎症効果に差があります。

有効成分のはたらき

  • トリアムシノロンアセトニド・プレドニゾロン(ステロイド)は、腫れや痛みを抑える抗炎症効果に優れた成分です。
  • アズレンスルホン酸Na・グリチルリチン酸二K・グリチルレチン酸(非ステロイド)は、ステロイドよりは抗炎症効果が弱いですが、広範囲に塗ることが出来ます。
  • アラントイン・パンテノール(組織修復成分)は、口内炎の治りを早める効果があり、抗炎症成分の手助けをしてくれます。
  • セチルピリジニウム塩化物水和物は、口腔内で繁殖する細菌等に殺菌消毒作用があり、症状がひどくなったり化膿したりするのを防ぐ成分です。

塗り薬・貼り薬・スプレーを選ぶポイント

口内炎の痛みを抑える成分には、ステロイド剤のトリアムシノロンアセトニドとプレドニゾロン、非ステロイドのズレンスルホン酸Na・グリチルリチン酸二K・グリチルレチン酸が配合されています。

 

トリアムシノロンアセトニドとプレドニゾロン(ステロイド)は、アズレンスルホン酸Na・グリチルリチン酸二K・グリチルレチン酸など非ステロイド抗炎症成分より痛みや腫れを抑える抗炎症効果に優れます。

 

軟膏の市販薬は、伸ばしにくくはがれやすいことがデメリットです。「⼤正⼝内軟膏クイックケア」や「トラフル軟膏PROクイックケア」は、剥がれやすさを減らすため、⽔分を吸収し患部になじみやすい基剤を採⽤しています。

ステロイド剤を配合した口腔用軟膏の注意点

ステロイド剤は長期間使用するのには不向きで、びらんや化膿している患部がに使用している場合には症状をを悪化させるおそれがあります。

 

痛みが強い場合には抗炎症成分だけでなく、局所麻酔成分のジブカイン塩酸塩やアミノ安息香酸エチル、口内炎の治りを早くするアラントインやパンテノール(組織修復成分)が配合されたものを選んでください。

 

ステロイド剤を配合していないものですと、塗るタイプは「興和新薬 新デスパコーワ 」、スプレータイプには「佐藤製薬 ストナのどスプレー」、貼るタイプには「大正製薬 口内炎パッチ大正A」などがあります。

口内炎になりやすい授乳中のお母さんは、こちらの記事もご覧ください。

関連情報【授乳中】口内炎のお薬選びで迷われている方におすすめの塗り薬

口内炎のうがい薬の有効成分

うがい薬のなかにも、口内炎を治す効能効果があるものが販売されています。

有効成分のはたらき

  • ポビドンヨード(非ステロイド)は、細菌やウイルスの殺菌消毒に優れた成分です。
  • アズレンスルホン酸Na・グリチルリチン酸二K・グリチルレチン酸(非ステロイド)は、ステロイドよりは抗炎症効果が弱いですが、広範囲に塗ることが出来ます。
  • セチルピリジニウム塩化物水和物は、口腔内で繁殖する細菌等に殺菌消毒作用があり、症状がひどくなったり化膿したりするのを防ぐ成分です。

口内炎を治すうがい薬を選ぶポイント

例えば、うがい薬で有名なイソジンうがい薬Pには患部を殺菌消毒する有効成分ポビドンヨードが配合されていて、口腔内で繁殖する細菌・ウイルス等をやっつけ口内炎の治りを早める効能効果があります。

 

うがい薬には、ポビドンヨードのほかにセチルピリジニウム塩化物水和物、アズレンスルホン酸Na・グリチルレチン酸など非ステロイド抗炎症成分が配合されたものが販売されています。

 

ポビドンヨードは特にしみますが、抗炎症成分を含む治療薬と併用できるものもあり、ひどい口内炎の治療に効果的です。

市販薬で対応できる口内炎と出来ない口内炎

市販薬で対処できる口内炎は「アフタ性口内炎」だけです。「カタル性口内炎」「ヘルペス性口内炎」「カンジダ性口内炎」「ニコチン性口内炎」は、市販薬よりは医療機関の受診を優先させてください。

 

またアフタ性口内炎でも、ベーチェット病や潰瘍性大腸炎など。全身の疾患が原因となってできる副作用症状の場合もあります。長引く口内炎でお悩みの場合は最寄の医療機関を受診してください。

  • カタル性口内炎(主に物理的な刺激によって粘膜が傷つき、細菌が繁殖することで起こる)
  • ヘルペス性口内炎(ヘルペスウィルスが原因)
  • カンジダ性口内炎(カンジダ(カビ・真菌)が異常繁殖することで発症する)
  • ニコチン性口内炎(タバコの吸いすぎが原因となって起こる)

 

ご参考になれば幸いです。

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