肩こりや腰痛に効くビタミン剤やシップ薬を試したけどいまいち効果を実感できない方には、筋肉の緊張を緩める筋肉弛緩成分を配合した内服薬という選択肢もあります。
小林製薬のコリホグスや、アリナミン製薬のドキシン錠は、筋肉弛緩成分が⾸や肩の筋肉の緊張を一時的に緩めて肩こりのコリや痛みを軽減する作用があります。
また、肩こりが原因の緊張型頭痛についても鎮痛成分との相乗効果で間接的に症状を緩和してくれます。
この記事では、医療用と市販薬の違いや、コリホグス・ドキシン錠を服用する際の注意点をご紹介します(※目次の青色リンクをタップorクリックすることで目的の箇所までジャンプできます)
医療用の筋弛緩剤と市販の筋肉弛緩薬の違い
- 市販の筋肉弛緩薬は手術等で使われる医療用の筋弛緩剤とは別物です。コリホグス・ドキシン錠は凝り固まった筋肉の緊張を一時的に緩めて痛みや重だるさを軽減するお薬です
市販薬では、整形外科で処方されるミオナール(成分名エペリゾン)やテルネリン(成分名チザニジン)などの処方薬の成分は配合されていませんが、
小林製薬のコリホグス(成分名クロルゾキサゾン)や、アリナミン製薬のドキシン錠(成分名メトカルボマール)など。
デスクワークや肉体労働で凝り固まった筋肉のコリや痛みをなんとかしたい方のために、一時的に肩や首筋の緊張を緩め肩こりをラクにしてくれる医薬品が販売されています。
コリホグスは神経に働きかけて凝り固まった筋肉の過度の緊張を和らげる作用があり、ドキシン錠は痛みの伝わりをブロックして肩こりや腰痛を緩和する効果のある医薬品です。
コリホグスの効能効果は筋肉を内側からゆるめてコリや痛みを和らげる
- 【コリホグスの効能・効果】 筋肉の異常緊張・けいれん・疼痛をともなう腰痛、肩こり、筋肉痛、四十腰、五十肩、神経痛、寝ちがい、ねんざ、打撲、スポーツ後の筋肉痛、関節痛

クロルゾキサゾンは、中枢神経に働きかけて肩や首筋のこわばりなど過度な筋肉の緊張をほぐす筋肉弛緩成分です。
肩や背中、腰などのコリや痛みを緩和するために筋肉から中枢神経への刺激の伝達を抑え、筋肉を緩めることによって症状を緩和してくれます。
エテンザミドは単体では弱めの鎮痛成分ですが、ほかの解熱鎮痛成分と比べて胃腸障害の副作用が少なくクロルゾキサゾンと協力して肩こりなどの痛みを鎮めます。
無水カフェインは、痛みを抑える解熱鎮痛成分の補助成分として配合されています。
ドキシン錠の効能効果は痛みの伝わりをブロックして痛みやコリを緩和
- 【ドキシン錠の効能・効果】肩・首筋などの痛みおよびこり、腰痛、背痛、ねんざ、うち身、神経痛・リウマチ性疼痛、四十肩、関節痛、筋炎、腱炎

メトカルボマールは、筋肉の異常な緊張やコリを正常な状態に戻すはたらきのある筋肉弛緩成分で痛みを和らげます。
エテンザミドは、肩や首筋のこわばりなどで起こる痛みを抑える非ピリン系の鎮痛成分です。無水カフェインは、解熱鎮痛成分の効果を高める補助成分として配合されています。
ビタミンE酢酸エステルは、抹消血管のうっ⾎を改善して血流をよくする成分で疲労物質の蓄積を解消するのに役立ちます。
ジベンゾイルチアミンは、コリや痛みの原因となる筋肉疲労を回復するためのエネルギーを作りだすビタミンB1誘導体です。ビタミンB1はブドウ糖をエネルギーに変換する際に必要な栄養素になります。

お薬の効能効果としては、カチカチに固まった筋肉を医薬品のはたらきで揉みほぐし、⾸筋・肩にかけてのコリや痛みを和らげスッキリ軽くする作用をイメージしてください。
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1筋肉弛緩成分のメトカルバモールが「ぎゅっとコリ固まっている筋肉の緊張を一時的に緩和」
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2エテンザミド(解熱鎮痛成分)と鎮痛成分のはたらきを助ける無水カフェインが肩こりの痛みを鎮める。
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3ジベンゾイルチアミン(ビタミンB1誘導体)が筋肉の組織中にたまった乳酸などの老廃物の分解を促進。
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4 血行を改善するビタミンE酢酸エステルが老廃物の排泄を助け、それぞれの成分の相乗効果で肩こりを楽にします。
コリホグスとドキシン錠の効き目の即効性や持続時間
- 一般的に筋肉弛緩成分クロルゾキサゾンの半減期は約1.1時間程度、メトカルバモールの半減期は約1.6時間程度とされています
コリホグスやドキシン錠は筋肉弛緩成分以外の成分も配合されている複合剤ですので、この2つの成分だけでは効きめの優劣はつけられませんが、
個人的な使用感では体感的にドキシン錠の方が持続時間が⻑く感じられ比較的即効性もありますので、パンパンにコリ固まった筋⾁を何とかしたい方におすすめの医薬品です。
お薬の血中濃度が半分になる時間を半減期と呼び、半減期がながければ長いほど薬が体内に長く残るため効果が持続します。有効成分は身体の中で代謝されてやがて効果を失います。
コリホグスもドキシン錠も、1日の成人の服用回数は3回までとなっていますので、効き目の持続時間は長くても数時間程度になります。服用する際は6~8時間程度間隔をあけてください。
コリホグスとドキシン錠の副作用
- 一般薬に配合されている筋肉弛緩成分(クロルゾキサゾン・メトカルバモール)と医療用の筋弛緩剤は効き目の強さも効果も全く別の物です
⿇酔導⼊時の気管内挿管や⼿術を容易にするための筋弛緩剤(医療用)は、神経の終末と筋⾁の接合部位で刺激伝達を遮断する効果の強いものですが、
市販薬の筋肉弛緩成分は、肩や首筋のこわばりなど過度に硬直している部位をほぐすもので、ほかの正常な部位には影響を与えないマイルドなものです。
コリホグスやドキシン錠で最も起こりやすい副作用は眠気で、イメージとしてはかぜ薬を飲んだ後と同じもので一時的に軽い眠気や集中力が散漫になることがあります。
体質によってはお薬を服用したことによって皮膚の発疹・発赤、かゆみ、吐き気・嘔吐、食欲不振などの胃腸障害、めまいが起こる場合がありますので服用を中止してください。
コリホグスおよびドキシン錠と併用不可な医薬品
- 寝る前など服用時間帯の制限はありませんが、胃を荒らさないためにお薬の服用はなるべく空腹時をさけ、用法用量を守って服用してください。

例えば、コリホグスとドキシン錠には、解熱鎮痛成分のエテンザミド(非ピリン系)が配合されています。
ロキソニンやイブプロフェンなど、同じ解熱鎮痛成分配合の医薬品と併用するとお薬の成分が重複し副作用のリスクが高まります。
また、かぜ薬・鼻炎薬・抗アレルギー薬・乗り物酔い止め・鎮静薬など、抗ヒスタミン成分などを配合している医薬品と服用すると眠気が強く出るおそれがあります。
アルコールについても、アルコールと医薬品を代謝分解する酵素は同じものがあり、薬の効き目を遅らせたり思わぬ副作用が出るおそれがありますので避けてください。
コリホグスとドキシン錠と併用可能な医薬品
- コリホグスとドキシン錠に配合されている筋肉弛緩成分(クロルゾキサゾン・メトカルバモール)は短期間の使用にとどめてください

痛みを緩和するためにロキソニンなど飲み薬の痛み止めは併用不可ですが、シップ薬や塗り薬など局所的に効果を発揮する消炎鎮痛剤と併用は可能です。
また、コリホグスとドキシン錠のような一時的な対処療法ではなく、肩こりの痛みの原因にアプローチするにはメコバラミン製剤がおすすめです。
メコバラミン(ビタミンB12)は、たんぱく質とリン脂質の合成を促進し、コリや痛みの一因となる末梢神経のダメージの回復を促す効果があります。
市販のメコバラミン製剤には、アリナミンメディカルゴールドやナボリンSなどが販売されています。
メコバラミン製剤で末梢神経に蓄積したダメージの回復を早め、我慢できないときだけコリホグスやドキシン錠を服用するなど使い分けすることをおすすめします。
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ご参考になれば幸いです