パソコンに向かって何時間も根をつめて作業を続けていると、肩や⾸の筋⾁が硬直しその下の抹消神経が圧迫されます。
末梢神経は痛みを脳に伝える役目を担っていて、抹消神経の圧迫が続くと眼の奥の疲れ(眼精疲労)や緊張型頭痛、後頭部から⾸筋・肩にかけてのコリや痛みの原因になります。
この記事で紹介すること
この記事では、肩や首筋の緊張を内側から緩めて楽にしてくれるコリホグス・ドキシン錠と、服用する際の注意点をご紹介します(※目次の青色リンクをタップorクリックすることで目的の箇所までジャンプできます)
筋肉のコリやこわばりを緩める市販薬
- 市販の筋肉弛緩薬は筋肉の緊張を一時的に緩め⾸から両肩にかけてのコリや痛みを軽減します。肩こりが原因の緊張型頭痛についても、鎮痛成分との相乗効果で間接的に症状を緩和してくれます。
市販薬では、整形外科で処方される「ミオナール(成分名エペリゾン)」や「テルネリン(成分名チザニジン)」などの処方薬の成分は配合されていませんが、
小林製薬の「コリホグス(成分名クロルゾキサゾン)」や、武田コンシューマーヘルスケアの「ドキシン錠(成分名メトカルボマール)」など。
デスクワークで凝り固まった筋肉のコリや痛みをなんとかしたい方のために、一時的に肩や首筋の緊張を緩め肩こりをラクにしてくれる医薬品が販売されています。
コリホグスの効能効果
- 小林製薬のコリホグスは、2007年に北海道地区限定で先行発売され、2010年4月に全国の薬局で販売を開始した筋肉弛緩成分クロルゾキサゾンを配合した医薬品です。
【コリホグスの効能・効果】 筋肉の異常緊張・けいれん・疼痛をともなう腰痛、肩こり、筋肉痛、四十腰、五十肩、神経痛、寝ちがい、ねんざ、打撲、スポーツ後の筋肉痛、関節痛
コリホグスの成分
- クロルゾキサゾンは、肩や首筋のこわばりなど過度な筋肉の緊張をほぐす筋肉弛緩成分です。
- エテンザミドは、ほかの解熱鎮痛成分と比べて胃腸障害の副作用が少ない成分で肩こりなどの痛みを鎮めます。
- 無水カフェインは、痛みを抑える解熱鎮痛成分の補助成分として配合されています。
ドキシン錠の効能効果
- 2015年にドキシン錠は外箱がオレンジ⾊から青色にリニューアルされましたが、発売されて数十年。肩こりや腰痛の時に指名買いされる愛用者もいらっしゃるメトカルボマール配合医薬品です。
【ドキシン錠の効能・効果】肩・首筋などの痛みおよびこり、腰痛、背痛、ねんざ、うち身、神経痛・リウマチ性疼痛、四十肩、関節痛、筋炎、腱炎
ドキシン錠の成分
- メトカルボマールは、筋肉の異常な緊張やコリを正常な状態に戻すはたらきのある筋肉弛緩成分で痛みを和らげます。
- エテンザミドは、肩や首筋のこわばりなどで起こる痛みを抑える非ピリン系の鎮痛成分です。
- ビタミンE酢酸エステルは、抹消血管のうっ⾎を改善して血流をよくする成分です。
- 無水カフェインは、痛みを抑える解熱鎮痛成分の補助成分として配合されています。
- ジベンゾイルチアミンは、コリや痛みの原因となる筋肉疲労を回復するために役立つビタミンB1誘導体です。ビタミンB1はブドウ糖をエネルギーに変換する際に必要な栄養素になります。
お薬の効能効果としては、カチカチに固まった筋肉を医薬品のはたらきで揉みほぐし、⾸筋・肩にかけてのコリや痛みを和らげスッキリ軽くする作用をイメージしてください。
step
1筋肉弛緩成分のメトカルバモールが「ぎゅっとコリ固まっている筋肉の緊張を一時的に緩和」
step
2エテンザミド(解熱鎮痛成分)と鎮痛成分のはたらきを助ける無水カフェインが肩こりの痛みを鎮める。
step
3ジベンゾイルチアミン(ビタミンB1誘導体)が筋肉の組織中にたまった乳酸などの老廃物の分解を促進。
step
4 血行を改善するビタミンE酢酸エステルが老廃物の排泄を助け、それぞれの成分の相乗効果で肩こりを楽にします。
コリホグスとドキシン錠の副作用
コリホグス(クロルゾキサゾン)やドキシン錠(メトカルバモール)は、中枢神経に作用してぎゅっとコリ固まっている筋肉の緊張を一時的に緩和してくれます。
ただし、身体をリラックスさせる副交感神経が優位になると、一時的なお薬の副作用として軽い眠気や集中力が散漫になることがあります。
イメージとしてはかぜ薬を飲んだ後に催す眠気と同じものですが、お薬の服用後は危険防止のため乗り物または機械類の運転操作をしないでください。
市販薬の筋肉弛緩成分の安全性について
全身の筋肉を脱落させて呼吸運動も停⽌させる医療用の筋弛緩剤と、一般薬に配合されている筋肉弛緩成分(クロルゾキサゾン・メトカルバモール)は、効き目も効果も全く別の代物です。
例えば、⿇酔導⼊時の気管内挿管や⼿術を容易にするための筋弛緩剤(医療用)は、神経の終末と筋⾁の接合部位で刺激伝達を遮断する効果の強いものですが、
市販薬の筋肉弛緩成分は、肩や首筋のこわばりなど過度に硬直している部位をほぐすもので、ほかの正常な部位には影響を与えないマイルドなものです。
コリホグスおよびドキシン錠の飲み合わせ
- 寝る前など服用時間帯の制限はありませんが、胃を荒らさないためにお薬の服用はなるべく空腹時をさけ、用法用量を守って服用してください。
コリホグスとドキシン錠には、解熱鎮痛成分のエテンザミドが配合されています。ロキソニンやイブプロフェンなど同じ解熱鎮痛成分配合の医薬品と併用しないでください(成分が重複し副作用のリスクが高まります)
例えば、かぜ薬・鼻炎薬・抗アレルギー薬・乗り物酔い止め・鎮静薬など、抗ヒスタミン成分などを配合している医薬品と服用すると眠気が強く出るおそれがあります。
また、アルコールと医薬品を代謝分解する酵素は同じものがあり、服用前後の飲酒は薬の効き目を遅らせたり、思わぬ副作用が出るおそれがありますので避けてください。
コリホグスとドキシン錠と併用可能な医薬品
ロキソニンなど飲み薬の痛み止めは併用不可ですが、肩こりをラクにする「【第2類医薬品】ハリックス ほぐリラ 冷感 12枚」のようなシップ薬や塗り薬などの消炎鎮痛剤と併用できます。
また、コリホグスとドキシン錠の長期連用はできませんので、普段は「【第3類医薬品】ナボリンS 40錠 」のような肩こりの末梢神経のダメージを回復するメコバラミン市販薬を使用してください。
ナボリンSで末梢神経に蓄積したダメージの回復を早め、我慢できないときだけコリホグスやドキシン錠を服用するなど使い分けてください。
コリホグスとドキシン錠を肩こりの市販薬を選ぶなら
市販薬は筋肉弛緩成分以外の成分も配合されている複合剤ですので、この2つの成分だけでは効きめの優劣はつけられませんが、
個人的な使用感では体感的にドキシン錠の方が持続時間が⻑く、後頭部から⾸筋・肩にかけてのコリや痛みによく効きます。
コリホグスとドキシン錠は比較的即効性もありますので、パンパンにコリ固まった筋⾁を何とかしたい方におすすめの医薬品です。
ご参考になれば幸いです