肩こり・腰痛・関節痛のくすり

肩こりに効く赤のアリナミン銀のアリナミン青のアリナミンの違いと同価格のナボリンとの成分比較

2017-02-03

ビタミン剤の外箱に記載されている似たような効能効果を見て、「結局このおくすりって何が違うの」って疑問に思ったことはありませんか。

例えば、アリナミンのなかで一番値段の高いアリナミンメディカルゴールドと、アリナミンEXプラスαを比較した場合。

効能効果はどちらも眼精疲労、筋肉痛・関節痛(肩・首すじのこり、腰痛、五十肩など)、神経痛、手足のしびれですが、

アリナミンメディカルゴールドの外箱には「(つらい症状が痛みにまできたら)肩こり、腰痛、⽬の疲れ、肩・⾸すじのこり、腰の痛み」。

アリナミンEXプラスαには、「目の疲れ・肩こり・腰痛がつらくなってきたら」と記載されています。

外箱のパッケージに記載されたキャッチフレーズを比較して、なんとなく自分の症状に近そうなイメージのおくすりを選んで購入された方も多いのではないでしょうか。

外箱の痛みに訴求するキャッチフレーズは、成分の配合率というよりはイメージしてもらいやすいよう医薬品の販売書類として申請した内容に基づくものです。

この記事では、①赤のアリナミン・銀のアリナミン・青のアリナミンの違い②青のアリナミンと同価格帯のナボリンSの成分比較③ビタミン剤服用する際の注意事項をご紹介します。

赤のアリナミン・銀のアリナミン・青のアリナミンの効き目の違い

  • アリナミンは医薬部外品をのぞき、アリナミンA・アリナミンA50・EXプラス・EXプラスα・メディカルゴールドの5種類の医薬品が販売されています

どのアリナミンにも肩こりの効能がありますが、アリナミンAとアリナミンA50は疲労回復のためのビタミン補給をメインにしています。

アリナミンA(赤のアリナミン)とアリナミンA50は、疲労を回復するエネルギーを作り出すためにビタミンB1・B2・B6等のビタミンを配合しています。

ビタミンB1は糖質をエネルギーに、ビタミンB2は糖質・脂質・タンパク質をエネルギーに変換するビタミン。

ビタミンB6はタンパク質をアミノ酸から再合成するのに必要なビタミンで、ビタミンB12(シアノコバラミン)は神経に作用するビタミンです。

そしてアリナミンAにはアリナミンA50に配合されていない糖質や脂質の代謝を助けるパントテン酸カルシウムが追加されていて、ビタミンの相乗効果で疲労の回復を助けてくれます。

アリナミン
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ビタミンの種類 B1 B2 B6 B12 E
アリナミンA50 100mg 10mg 10mg 20mg
アリナミンA 100mg 12mg 20mg 60mg

アリナミンAとアリナミンEXプラスαの効き目の違い

  • パッケージの違いだけに見えますが、アリナミンEXプラスα(銀のアリナミン)は、アリナミンEXプラスにビタミンB2を追加した医薬品です
「アリナミンEXプラスαは、アリナミンAの成分に凝り固まった筋肉の血行不良をやわらげるビタミンEを追加しています。

首や肩など患部で血液の流れが悪くなると疲労物質が蓄積し、痛みや重だるさ等の肩こりの症状を引き起こす原因になります。

アリナミンEXプラスαに配合されているビタミンEは、疲労物質の蓄積を解消するために血行不良の改善を促し、肩こりを緩和する下地を整えてくれます。

アリナミンEXプラスαは、アリナミンAにも配合されている3大栄養素(脂質・糖質・タンパク質)から疲労回復のためのエネルギーを作り出すビタミンB群と、

相乗効果でビタミンB群の働きを手助けするパントテン酸カルシウム・ガンマーオリザノールを配合した疲労回復と目、肩、腰のつらい症状の緩和に効くビタミン剤です。

アリナミンEXプラスα
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ビタミンの種類 B1 B2 B6 B12 E
アリナミンA 100mg 12mg 20mg 60mg
アリナミンEXプラスα 100mg 10mg 100mg 1500μg 100mg

メモ

※アリナミンAはその他成分としてパントテン酸カルシウム。アリナミンEXプラスα(銀のアリナミン)はパントテン酸カルシウム・ガンマーオリザノールを含みます。

  • アリナミンメディカルゴールドはアリナミンEXプラスαに病院で出されるメチコバールと同じメコバラミン(ビタミンB12)をプラスしたアリナミンシリーズの上位版です

肩こりに効く市販薬には活性型ビタミンB12のメコバラミンと非活性型ビタミンB12のシアノコバラミンの2種類どちらかが配合されています。

活性型のメコバラミンはそのまま人体に吸収しやすい形になっているビタミン。非活性型のシアノコバラミンは、一度肝臓などで吸収しやすい形に作り変えられてから吸収されます。

メコバラミン(ビタミンB12)は、葉酸との相乗効果でたんぱく質とリン脂質の合成を促進し、コリや痛みの一因となる末梢神経のダメージの回復を早める効果があります。

例えば、同じアリナミンブランドで比較した場合。「アリナミンA・アリナミン50・アリナミンEXプラス・アリナミンEXプラスα」は非活性型のシアノコバラミン

1錠あたりの単価が高めなアリナミンメディカルゴールド(青のアリナミン)は、活性型のビタミンB12(メコバラミン)を採用しています。

アリナミンメディカルゴールドは、アリナミンEXプラスに比べて吸収されやすいビタミンB6B12Eの成分も配合されていて、肩こりの原因の緩和により効果を発揮します。

ビタミンの種類 B1 B2 B6 B12 E
アリナミンメディカルゴールド 100mg 60mg 20mg 1500μg 100mg
アリナミンEXプラスα 100mg 10mg 100mg 1500μg 100mg

メモ

アリナミンEXプラスαにはパントテン酸カルシウム・ガンマーオリザノール、アリナミンメディカルゴールドにはガンマーオリザノールおよび葉酸を含みます。

アリナミンメディカルゴールド
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製品名 シアノコバラミン
メコバラミン
アリナミンA
アリナミン50
アリナミンEXプラス
アリナミンEXプラスα
アリナミンメディカルゴールド
(製造終了)アクテージSN錠
(製造終了)ナボリンEB錠
(参考)ナボリンS

関連記事「(製造終了)アクテージSN錠と旧アリナミンEXゴールド(アリナミンメディカルゴールド)の違い」(タップorクリックで関連記事に移動)

  • 肩こりの原因(末梢神経のダメージ)を修復するメコバラミンはメコバラミン単体よりも葉酸との相乗効果で効果が高まります

ナボリンSとアリナミンメディカルゴールドは、共通する成分としてビタミンB1・B6、B12、Eの・葉酸を配合しています。

アリナミンメディカルゴールドにはビタミンの働きを助けるガンマーオリザノールが配合されているのでナボリンSとの効果の優劣は比較できませんが、共通する成分の組み合わせにメコバラミンと葉酸があります。

肩こりに効く代表的なビタミン剤のメコバラミン配合量は同じ1,500μgですが、葉酸については各製品ごとに配合量に違いがあります。

例えば、アリナミンメディカルゴールドの1mgやナボリンSの5mgに対して、人気のアリナミンEXプラスαやナボリンEB錠には葉酸が配合されていません。

ナボリンEB錠はナボリンSの発売前から販売されていたメコバラミン製剤として人気でしたが、2024年02月21日をもって製造終了しています。

ナボリン
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製品名 メコバラミン
葉酸
アリナミンメディカルゴールド 1,500μg 1mg
アリナミンEXプラスα
(製造終了)ナボリンEB錠 1,500μg
ナボリンS 1,500μg 5mg
ヘルビタS 1,500μg 5mg
ロスミンS 1,500μg 5mg

関連記事ナボリンSと同成分で安価に買える「ヘルビタS」や「ロスミンS」の価格差について(タップorクリックで関連記事に移動)

アリナミンメディカルゴールドやナボリンSの効果を実感するための期間

  • 慢性的なコリや痛みの原因といわれる末梢神経に蓄積したダメージの修復には平均して40日程度かかります
メコバラミン配合の市販薬を試される方は、まずは1ヶ月タイプの容量から試してみることをおすすめします。

筋肉よりさらに奥にある末梢神経は、脳に「痛みやコリ」などを伝える役割を担っています。肩こりは末梢神経のダメージも一因なので修復に時間がかかります。

メコバラミンを配合した医薬品は、継続服用することで末梢神経のダメージを少しずつ修復し、つらい肩こりの緩和に効果を発揮します。

アリナミンメディカルゴールドやナボリンSは臨床結果を公開されていて、メーカー発表によると、4週間継続した場合に約6割弱の方が肩こりの症状が改善したデータを公表しています。

アリナミンメディカルゴールドやナボリンSは毎食後1錠ずつ、水またはお湯で服用してください(1日3回)

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メコバラミン配合の市販薬を⻑期間服⽤した際の副作⽤

  • メコバラミンを配合したビタミン剤は過剰症の心配がない水溶性ビタミンB群を中心に構成されています

水溶性ビタミンのメコバラミンは摂り過ぎた分は身体の外に排出されます。用法用量を守っている限りは過剰症の心配をする必要はありません。

また、⾝体に蓄積する脂溶性ビタミン(ビタミンE・ガンマーオリザノール)も、⽤法⽤量を厳守している限りは過剰症のリスクは薄いです。

ただし、ほかのビタミン剤やサプリメントとあわせて大量摂取した場合は、胃がムカムカしたり腹痛など。胃腸障害を起こすリスクが⾼まります。

ビタミン剤は大量摂取など⻑期間度を超えた過剰摂取は行わないようにしてください。

  • 市販薬を1ヵ月程度使用しても症状の改善が見られない時は整形外科など医療機関を受診してください
以下の場合は医療機関での治療が優先されますので、市販薬を使用しないでください。

例えば同じ肩こりでも、頚椎椎間板ヘルニア(首や背骨の神経の圧迫が原因)で起こっている肩こりなどは市販薬では対処できません。

また内科的アプローチでも、たとえば心臓の病気や肺の病気、高血圧、更年期障害など。筋肉のコリや末梢神経の傷以外の病気が原因で、肩こりに似た症状が起きていることもあります。

市販薬の効能効果の範疇を超えている肩こりについては、日本臨床内科医会の「わかりやすい病気の話47 肩こり」を参考にしてみて下さい。

メコバラミン配合の市販薬と解熱鎮痛剤やシップ薬の併用について

  • メコバラミン医薬品は解熱鎮痛剤(痛み⽌め)や消炎鎮痛剤(シップ薬や塗り薬)と成分の重複がないので併用できます

一例としてサロンパスで有名な久光製薬さんのシップ薬からご紹介しますと、

痛みをとる効果の強い順に、フェイタスZαジクサス(ジクロフェナク)は痛みが特につらい肩こりに。フェイタス5.0(フェルビナク)は慢性的な肩こりをどうにかしたい人向け。

サロンパスA(サリチル酸メチル)は、急性の筋肉痛やちょっとした肩こりを治したいときに効果的なシップ薬になります。

例えばフェイタスZαジクサス(痛みに対する効果が強いジクロフェナクナトリウムを配合)とナボリンSを併用されると、

ナボリンSが肩こりの末梢神経のダメージの修復を補助して、シップ薬が痛みの元となる増痛物質の増加を抑える「ダブルの効果」が見込めます。

 

 

 

ご参考になれば幸いです

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