下痢を止めるおくすり

下痢を止めるのに整腸剤でも避けた方がよい整腸薬があります

2018-11-28

睡眠不足や暴飲暴食など。生活習慣の乱れが続くと、善⽟菌が減少して悪玉菌の数が増えてしまいます。

腸内環境が悪玉菌優勢の方向に傾くと、便秘だけでなく水分を多く含んだ軟便や下痢を起こしやすくなります。

よくビオフェルミン製薬の「便秘にも軟便にも」のCMのイメージから下痢止めではなく整腸薬を選ばれる方もいらっしゃいますが、

同じビオフェルミンでも、ケツメイシ(生薬)の入った「ぽっこり整腸チュアブル」や、太田胃散整腸薬の「デ・ルモア錠」などの整腸薬は「下痢(軟便)」のときは避けてください。

生薬のケツメイシは便通を促す作用があります。胃腸が弱っている方が下痢のときに使うと反対に便通がよくなり過ぎてしまいます。

下痢(軟便)の際に避けて欲しいケツメイシの配合された整腸薬

  • 悪玉菌優勢の腸内環境になると通常70%〜80%程度の便の水分量が増え下痢になりやすくなります(軟便は80%〜90%程度)
ケツメイシ(生薬)の入った整腸剤は便通がよくなり過ぎるので、普段から下痢気味の方が服用するとかえって症状を悪化させてしまう場合があります。

整腸剤はどれも同じというイメージでご購入される方も多いのですが、

整腸薬には「便秘を解消するのに効果的な整腸薬」と「下痢(軟便)などになりやすい体質の改善が得意な整腸薬」があります。

例えば、お腹のハリの解消といったキャッチフレーズが目につきやすいデ・ルモア錠やビオフェルミンぽっこり整腸チュアブルは、「便秘体質を解消するのが得意」な整腸剤です。

普段から便秘より下痢や軟便に悩まされている方は、ケツメイシ(生薬)の入っていない整腸剤を選ぶようにしてください。

下痢(軟便)気味の方におすすめの整腸薬

  • 慢性的な下痢や軟便が続く場合は腸のなかの善玉菌と悪玉菌(善⽟菌20%・悪⽟菌10%・⽇和⾒菌70%)のバランスが崩れていることも原因のひとつです
軟便の改善には、アリナミン製薬の「ビオスリーHi錠」や、ミヤリサン製薬の「強ミヤリサン 錠」を選択肢のひとつに入れてみてください。

ビオスリーHiは医療用として使用されていたビオスリーを市販薬でも購入できるようにしたもので、強ミヤリサン(錠)はミヤBMの市販薬用になります。

ビオスリーHi錠と強ミヤリサン 錠の共通点は、乳酸菌が住みやすい腸内環境を整えるのに有用な酪酸菌を配合していることです。

酪酸菌はビオフェルミンにも配合されているビフィズス菌フェカリス菌アシドフィルス菌などの乳酸菌が住みやすい環境を作るのを手助けしてくれます。

整腸薬は毎日継続して飲むことで乳酸菌などの善玉菌の働きを高め、有害菌の働きを抑えることで下痢や軟便を起こしにくくします。

関連記事整腸剤を毎日続けることで便秘・軟便の回数が少なくなる理由

今すぐ下痢を止めたい方は整腸薬でなく止瀉薬および下痢止め

  • 整腸薬に配合された乳酸菌はそのまま住み着くのではなく整腸薬の乳酸菌をきっかけにご自身の乳酸菌が増えることで腸内環境が改善します
飲んですぐに効き目があらわれる下痢止めと違って、整腸薬には下痢を止める即効性はありません。

乳酸菌を含んだ整腸薬を服用しても善玉菌は少しずつしか増えていかないので、乱れた腸内環境が変わるまでは早くても3ヶ月以上かかります。

今すぐ下痢を止めたい方は、ビオフェルミン製薬から乳酸菌と下痢止めの成分が配合された「ビオフェルミン止瀉薬」や「ビオフェルミン下痢止め」が販売されています。

特に腹痛がひどい下痢の場合は、ビオフェルミン止瀉薬の成分に腸内の炎症を抑える生薬が追加された「ビオフェルミン下痢止め」を選ぶと効果的です。

ただし整腸薬と違って、下痢止めや止瀉薬は4.5~6日程度の服用にとどめ長期間続けて飲むのは止めてください(副作用防止のため)

参考ビオフェルミン「止瀉薬」とビオフェルミン「下痢止め」の違い

フェーカリス菌はビフィズス菌などの手助けをする乳酸菌で、悪玉菌が増えすぎないように腸内フローラを整えてくれます。
  ビオフェルミン
止瀉薬
ビオフェルミン
下痢止め
フェーカリス菌
(乳酸菌)
 
ビフィズス菌
(乳酸菌)
 
シャクヤクエキス
(腹痛の痛みを緩和)
 
ゲンノショウコエキス
(下痢改善や整腸作用)
ロートエキス
(腹痛の痛みを緩和)
タンニン酸ベルベリン
(腸内殺菌成分)

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