下痢を止めるおくすり

ノロウイルスの時期に知っておいて欲しい基礎知識

2018-01-05

ノロウイルスによる感染性胃腸炎(食中毒)は、ノロウイルスの繁殖した食品などを摂取することで感染し、ヒトの腸管で増殖し、おう吐、下痢、腹痛などを起こします。

ノロウイルスは乾燥すると空気中に浮遊しやすく、トイレなど狭い場所では飛沫感染による二次感染もありますので、換気消毒をしっかり行ってください(便やおう吐物にも大量のノロウイルスが含まれています)

感染経路別ノロウイルス感染集団発生の推移(病原微生物検出情報(IASR)によると、原因食材が特定できない要因の多くは、ウイルスに感染した食品取扱者を介して感染が拡がっていることが報告されています。

この記事では、ノロウイルスによる感染性胃腸炎(食中毒)の基礎知識をご紹介します。

ノロウイルスの下痢やおう吐には下痢止めや吐き気止めは使えません

  • きついおう吐やは下痢ウイルスを追い出すための身体の防御反応です

よくノロウイルスにかかった方のご家族がお薬を買いに来れれるのですが、市販の止しゃ薬(いわゆる下痢止め薬)や吐き気止めの薬の使用は逆効果になります。

市販の止しゃ薬を服用した場合。腸管で増殖したノロウイルスの排出を遅らせ病気の回復を遅らせる原因になります(ノロウイルスには対処療法だけで特効薬はありません

ノロウイルスは感染から発症までが翌日から翌々日(24~48時間以内)と早く、激しい吐き気や嘔吐、腹痛、微熱などのつらい症状が1~2日続きます。

吐いたり下痢が続くと脱水症状がひどくなります。脱水症状を防ぐにはOS-1(経口補水液)などを使ってこまめに水分補給を行ってください。

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下痢やおう吐で脱水症状を起こさないための経口補水液の使い方

  • 下痢やおう吐にはスポーツドリンクより電解質の吸収率が高い経口補水液がおすすめです

下痢・おう吐が続くと、水分と一緒に身体のなかから電解質が失われ脱水症状が起こります。経口補水液は少しの量で失った電解質を補給できますので脱水症状の悪化を防いでくれます。

OS-1などの経口補水液は、下痢や吐き気が経口補水液を飲めるまで落ち着いたら、最初はティースプーン(5cc)を目安に1〜5分おきに何回か飲ませてください。

何回か飲ませて吐かなければ、量を気にせず一本まるごと飲んでも構いません。ただし、短時間に大量に飲むとせっかく飲んだ経口補水液を吐いたり、下痢が悪化する原因になります。

OS-1など経口補水液は、スポーツドリンクのように一気に飲まず、間隔を空けて少しずつ飲んでください。

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ノロウイルスの被害を拡げないためには手洗いと消毒の徹底

十分に泡立てた石けんと流水とを用いたまめな手洗いの徹底は、 手指に付着しているノロウイルスを減らす最も有効な方法です。

よくノロウイルスが大流行した年は手ピカジェルなどのアルコール手指消毒剤が売り切れますが、消毒用エタノールによる消毒は手洗いの代用にはなりません。

石けんも消毒用エタノールもノロウイルスを不活性化する効果はありませんが、手洗いを徹底することで、手についたウイルスが少しでも落ちやすくするよう心がけてください。

料理をする前、食事の前、食器を片付けた後、トイレに行った後など。日常生活を行う前に手洗いを挟むことでウイルスを口にするリスクが減らせます。

次亜塩素酸ナトリウムによる消毒について

  • ノロウイルスは次亜塩素酸ナトリウムによって死滅させることは出来ませんが不活性化できます

床やトイレなど。吐いてしまった後処理には、泡で出るタイプの「医療施設用 泡洗浄ハイター1000(次亜塩素酸ナトリウム配合スプレー)」と

【業務用】かんたん汚物処理キット(花王プロフェッショナルシリーズ)」があると重宝します。

花王のかんたん汚物処理キットは、おう吐物・排泄物など。「汚物を処理する際の手順が記載されたマニュアル」と、必要なアイテムが一通り揃っている汚物処理セットです。

また、台所用塩素系漂白剤で代用される場合は、厚生労働省がノロウイルスの「塩素消毒液の作り方」や、おう吐物などの処理方法をポスター形式にまとめた「ノロウイルス食中毒予防対策リーフレット」が参考になります。

ノロウイルスに関する正しい知識と予防対策については、厚生労働省の「ノロウイルスに関するQ&A」がわかりやすく解説されています。

 

 

ご参考になれば幸いです

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