小さなお子さんは、昼間はあんなに元気だったのに夜になって急に熱が出るなど。急に体調を崩すことがよくありますよね。
夜遅くまで開いている薬局では、「子どもに飲ませるかぜ薬についてお聞きしたいのですが・・・。」と親御さんにご相談をお受けすることが多いです。
この記事ではご相談を受けた経験をもとに、子供用風邪薬の「選ぶ際に気をつけたいこと」をご紹介しています。
子供用風邪薬の顆粒・錠剤・シロップ剤の選び方について
子供用向けに販売されている風邪薬は、小児が飲みやすいように工夫されたものがほとんどです。ですが、1歳未満の乳児、7歳未満の幼児、15歳未満の小児では飲みやすい形状が違います。
例えば、飲み込みこむ力が弱い小さなお子さんの場合。粒状の顆粒やカプセル・錠剤は、のどに引っかっかってせき込んでしまうおそれがあります。
特にカプセルや錠剤の風邪薬は、1~5歳までの幼児だと飲み込めないことが多いです。カプセルや錠剤は用法用量に1~5歳までの適応があったとしても避けた方が安心です。
シロップの風邪薬は依存性の高いお薬ではありません
小さなお子さんに与える子供用風邪薬は、アンパンマンの風邪シロップのように液体タイプになっているものが人気です。
シロップ剤のかぜ薬は、粒状の顆粒やカプセル・錠剤と比べると割高と感じるかもしれませんが、甘く味付けされているのでお子さんから進んで飲んでくれやすいかぜ薬です。
シロップ剤は依存性が高いと勘違いされる親御さんもいらっしゃいますが、通常の用法用量で依存症になる成分は入っていないので安心してください。
アンパンマンシロップの選び方
アンパンマンが目印の「ムヒのこどもかぜシロップSa(イチゴ味とピーチ味)」は、味の違いだけでどちらも効き目は変わりません(熱冷ましと鼻水・せきを止めるおくすりが入っています)
熱は無いけれど「鼻がぐずぐずいっている」「せきが心配」という場合は、解熱剤の入っていない緑色の「ムヒのこども鼻炎シロップS」や青色の「ムヒのこどもせきどめシロップSa」を飲ませてあげてください。
緑と青色のアンパンマンシロップは、鼻風邪やせきがコンコン止まらないかせにもよく効きます。
ご家族みんなで同じ風邪薬を服用する場合の注意点
ご家族同時に体調を崩されているときは億劫かもしれませんが、乳児(1才未満) 幼児(7歳未満) 小児(15歳未満)の年齢制限に適した風邪薬を服用させてください。
例えば同じルルやパブロンでも、風邪薬によっては製薬メーカーが同じでも異なる成分を配合しているものが数多くありますよね。
15歳以下のお子さんは、医薬品を代謝分解する生理機能が未発達なため大人に比べて効き目が強く出てしまいます。
15歳以下の小児に使用できる解熱鎮痛剤はアセトアミノフェンのみです
例えば、イブプロフェンやイソプロピルアンチピリンやアスピリンなど。のどの痛みや熱を下げる解熱鎮痛剤には様々な種類があります。
解熱鎮痛剤には痛みを緩和する作用に優れるものや熱を下げる効果が高いものなどありますが、15歳以下のお子さんに使用できるのは安全性の高いアセトアミノフェンのみです。
お子さんがアセトアミノフェン以外の解熱鎮痛剤が配合された総合感冒薬を服用した場合。副作用としてライ症候群が起こる可能性があります。
アセトアミノフェン配合の風邪薬
- 大正製薬パブロンSα錠(5歳〜コデイン配合なし)
- エスエス製薬エスタック総合感冒(5歳〜コデイン配合なし)
12歳未満のコデインの使用は避けてください
親御さんが小さい頃にはOKだった12歳未満の小児へのコデインの使用は、2019年をめどに禁忌(使用しては駄目)に変わりました。
コデインは延髄の咳中枢に強く働きかけてくれるので、市販されているかぜ薬やせき止めなどに広く使用されてきました。
12歳未満の子供用の風邪薬はコデインを使用していないお薬に切り替わっていますが、大人用風邪薬にはせき止めの効果を期待してコデインが使われているものが多くあります。
12歳未満のお子さんに風邪薬を飲ます場合は、「ジヒドロコデインリン酸塩(リン酸ジヒドロコデイン)」や「コデイン酸塩水和物(リン酸コデイン)」などが配合されているものは使用しないでください。
小さいお子さんの医薬品の誤飲についての対処法
目のつかない手が届かないとこにおいてあっても、時に子どもはとんでもない手段を使っていたずらをすることがあります。
乳幼児があやまって薬を大量に飲み込んでしまったなどの誤飲・誤用の場合。一般医薬品であってもお医者さんの高度な専門的判断が必要になることが多いです。
応急処置がわからないのであれば、救急車を呼ぶか、「中毒110番・電話サービス」を利用してください。
また、急な発熱、下痢、おう吐、けいれん、ひきつけなどの急病で、お子さんを病院へ連れて行くかどうか判断に迷った場合。各都道府県が実施している「子ども医療電話相談」を活用する方法もあります。
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ご参考になれば幸いです