腟カンジダ症のおくすり

市販のカンジダ薬を腟カンジダと診断されてない女性が使ってはいけない理由

2019-03-01

腟カンジダ症は、女性の約5人に1人が経験したことのある認知度の高い症状です。白いチーズ状のおりものが増えたり、外陰部のかゆみがひどくなると腟カンジダを疑う方も多いです。

時折医療機関の診断なしにカンジダ治療薬をお求めに来られる方をお見かけしますが、市販のカンジダ治療薬は腟カンジダ症と診断された方がお使いいただける再発治療薬になります。

この記事では、一度も腟カンジダ症と診断されたことのない方が、市販のカンジダ治療薬を使ってはいけない理由をご紹介します。

カンジダの市販薬では治らないカンジダと似た類似疾患があります

フェミニーナ腟カンジダ錠やメンソレータムフレディCC膣錠など。腟カンジダの市販薬は、腟カンジダ専用の医薬品ですので、腟カンジダと勘違いしやすい類似疾患には対応できません。

例えば腟カンジダと似た症状に、トリコモナス膣炎・細菌性膣炎・萎縮性膣炎・接触性皮膚炎・性器クラミジア・性器ヘルペスなどがあります。

特にトリコモナス膣炎・細菌性膣炎の2つは、「かゆみ」や「おりものの異常」など。自覚症状が腟カンジダと似ているため間違われやすいです。

過去に一度も腟カンジダ症と診断されたことのない方は、市販薬を選ばれる前に医師の診察を受けてください。

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カンジダと勘違いしやすい症状①接触性皮膚炎

接触性皮膚炎は、皮膚の炎症の原因となる原因物質と接触したことによる皮膚疾患で、かゆみが強いのが特徴です。

女性は皮膚が薄く傷つきやすいので、おりものや下着、生理用品、コンドームなどの避妊具、皮膚に塗る外用剤などが炎症の原因になります。

接触性皮膚炎は原因物質を遠ざけ、ステロイド剤など「炎症を鎮める皮膚治療薬」や「かゆみを抑える抗ヒスタミン剤」が使われます。

カンジダと勘違いしやすい症状②トリコモナス膣炎

膣内にトリコモナス原虫と呼ばれる寄生生物が寄生することで起こる感染症です。性交渉によって感染・発症します。

症状としては、かゆみのほか、泡状で強い悪臭を放つ黄色のおりものが出たり、外陰部が腫れあがったり紅斑が出たりします。

市販薬ではトリコモナス膣炎の治療薬は販売されていません。医療機関で「メトロニダゾールと呼ばれる抗原虫薬」が処方されます。

カンジダと勘違いしやすい症状③細菌性膣炎

乳酸菌の一種である乳酸桿菌の減少で膣内の抵抗力が落ち、大腸菌やブドウ球菌など有害な細菌が増えることによって起こる感染症です。

灰色で水っぽいおりものが気になる場合や、魚の生臭さのようなきつい臭いを感じたら医療機関を受診してください。

細菌性膣炎は、医療機関でクロラムフェニコールと呼ばれる抗生物質の腟剤によって治療が行われます。

まとめ腟カンジダ症と診断されていない方が市販の治療薬を使ってはいけない理由

膣カンジダの市販薬は、腟カンジダ症ではない方がおくすりを使われても効果はありません。また膣炎には、腟カンジダ症と似た外陰部のかゆみやおりものの異常を引き起こす感染症があります。

感染症は放っておくと悪化しますので、腟カンジダなのかそれ以外の類似疾患なのかを見分けるために、腟カンジダ症と診断されたことのない方は自己判断でカンジダ治療薬を購入しないでください。

腟カンジダ症は性交渉によって感染することは割合としては少なく、腟内の常在菌のバランスの乱れによる「カンジダ菌の異常繁殖」が大半を占めます。

カンジダ菌がいるだけでは腟カンジダ症になりませんが、生理前だったり疲労・ストレスなど。膣内の免疫力が落ちる状態が続くと発症しやすくなります。

 

 

ご参考になれば幸いです

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