梅雨明けから夏にかけて、自然の多い田舎やキャンプ場ではアブやブヨに遭遇する確率が高くなります。
アブやブヨに刺された(噛まれた)場合。ポイズンリムーバー(携帯用の吸引器)で毒素を吸い取り。刺された痕には、ステロイド配合の皮膚薬を塗布してください。
ステロイド配合の塗り薬には、(抗生物質+ステロイド)配合のフルコートF。(ステロイド+かゆみ止め)配合のムヒアルファEXなどが有効です。
アブやブヨに吸血された傷口は、掻いたり揉んだりするとかえって悪化します。刺された痕や水ぶくれはできるだけ触れずに皮膚薬で応急処置してください。
ポイズンリムーバーが効果を発揮する時間は当日30分以内
- ポイズンリムーバーで傷口から素毒が回らないうちに吸い出すと、腫れてズキズキする痛み(疼痛)や激しいかゆみがマシになります
アブやブヨに刺されたと気づいたら、遅くとも15分以内には「ポイズンリムーバー」 で毒素を吸い出してください。ポイズンリムーバーは30分以上経過したあとでは効果が期待できません。
ときおりキャンプ場から帰宅したその足でポイズンリムーバーをお求めに来られる方もいらっしゃいます。その場合はポイズンリムーバーを利用せず、直接皮膚薬を塗っていただいて構いません。
アブやブヨに刺された傷口は、刺された直後より数時間〜翌日以降にかゆみや腫れによる痛みが襲ってきます。ポイズンリムーバーは、傷口を流水で洗い流し患部が赤く膨れあがる前に使用してください。
アブブヨに刺された痕に使えるフルコートFとムヒアルファEXとの違い
- 掻きむしった傷口の細菌感染を防ぐフルコートF(抗生物質+ステロイド)かゆみと痛みを止めるムヒアルファEX(ステロイド+かゆみ止め)
アブやブヨに吸血された傷口は赤く膨れあがり、注入された唾液によって痛みとかゆみを引き起こします。
ムヒアルファEXは、ムヒシリーズのなかでは1番強いステロイドを配合した皮膚薬で、アブやブヨが噛みきった痕の炎症にもよく効く虫さされ薬です。
ステロイドは患部の疼痛や炎症を抑える効果が強く、ムヒアルファEXは一緒に配合されたかゆみ止めとあわせて「かゆみや腫れ」をしっかり抑えてくれます。
フルコートFはかゆみ止めは入ってませんが、市販薬のなかでは最も強いランクのステロイド と抗生物質(化膿止め)を配合した皮膚薬で、かき壊しなど患部の二次感染(雑菌による化膿)を防ぎます。
フルコートFとムヒアルファEXの腫れとかゆみを抑える効果の違い
- アブやブヨは皮膚を噛み切って吸血するため患部から細菌感染を引き起こす可能性があります
ステロイドの皮膚薬には雑菌による化膿を防ぐ効果がありません。細菌感染が心配される傷口には、「ステロイド+抗生物質(化膿止め)」が配合されたフルコートFをチョイスするのがベストです。
フルコートFは、ムヒアルファEXよりも炎症をおさえる効果が高いフルオシノロンアセトニド(ステロイド) と、抗生物質フラジオマイシン硫酸塩(化膿止め)を配合した皮膚薬です。
例えば、ムヒアルファEXやフルコートFを「ムヒ」シリーズで比較した場合。ステロイドの腫れや痛みを抑える効果が強い順番に、
①フルコートFは「強い(strong)」②ムヒアルファEXは「普通(medium)」③ムヒアルファSⅡは「弱い(weak)」④ムヒSは「非ステロイド」のお薬を使用しています。
参考皮膚薬に配合されているステロイドの強さ
ステロイドの炎症を抑える強さ | 医薬品名 | 成分名 |
①最も強い(strongest) | 医療用のみ。市販薬には無 | クロベタゾールプロピオン酸エステルなど |
②とても強い(very strong) | 医療用のみ。市販薬には無 | モメタゾンフランカルボン酸エステルなど |
③強い(strong) | フルコートF | トリアムシノロンアセトニド |
④普通(medium) | ムヒアルファEX | プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル |
⑤弱い(weak) | ムヒアルファSⅡ | デキサメタゾン酢酸エステル |
⑥非ステロイド | ムヒS・ムヒベビー | (グリチルレチン酸) |
ご参考になれば幸いです。