皮膚トラブルのくすり

【市販の皮膚薬】ステロイド・非ステロイド配合の塗り薬の見分け方について

2019-04-27

気温と湿度が高く蒸し暑い時期には、湿疹、皮膚炎、あせも、かぶれ、かゆみ、虫さされ、じんましんなど。汗や害虫、紫外線を原因とした皮膚トラブルが起こりやすくなります。

皮膚薬をお求めに来られる方のなかには、ステロイド配合の塗り薬はなんとなく怖いので非ステロイドを指名買いされる方もいらっしゃいます。

ステロイドは非ステロイドに比べて腫れや痛みを抑える抗炎症効果の高いお薬ですが、どうしても非ステロイドがよいという方には非ステロイドの皮膚薬をご提案することもあります。

この記事では、ステロイド配合の皮膚薬は怖くて使えないという方に向けて、非ステロイド配合の塗り薬の見分け方をご紹介します。

市販のステロイド・非ステロイド皮膚薬の見分け方

  • 成分名に【 ~ ゾ ン 】や【 ~ ゾ ロ ン 】とつくとステロイド成分であることが多いです(例外あり)

よく非ステロイドの皮膚薬をお探しの方から、「このお薬にはステロイドは入っていますか」とご相談をお受けすることがあります。

医薬品のパッケージに非ステロイドと記載があれば分かりやすいのですが、市販の皮膚薬には非ステロイドの記載がないものもたくさんあります。

皮膚炎・かぶれによく効くフルコートF(成分:フルオシノロンアセトニド)のように例外もありますが、ステロイドの成分には【 ~ ゾ ン ~ ゾ ロ ン 】とつく成分が多くあります。

市販の皮膚薬でステロイドが配合されている医薬品の一例

  • 虫さされ、かゆみ、しっしん、皮ふ炎、かぶれ、じんましん、あせもに効く市販薬にはステロイドが利用されています

虫さされの際に大活躍するムヒアルファEXや、湿疹・皮膚炎に使用されるベトネベートクリームSには、第Ⅲ群のベタメタゾン吉草酸エステル(ステロイド成分)が配合されています。

一方で、赤ちゃんのオムツかぶれにも使えるコートfMD軟膏には、第Ⅴ群のプレドニゾロンが採用されています(乳幼児は大人に比べて皮膚が薄いので、弱いお薬が用いられます)

あくまでも一例ですが、市販薬の場合は5段階あるステロイドのうち、いちばん弱い(week)は赤ちゃん。2番目に弱い穏やか(medium)は乳幼児などに使用されます。

市販の皮膚薬に配合されている非ステロイドの抗炎症成分

  • 市販の皮膚薬には、おもにウフェナマートグリチルレチン酸グリチルリチン酸二カリウムの非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が配合されています

非ステロイドの抗炎症成分はⅠ群(ストロンゲスト)からⅤ群(ウィーク)の5段階に分かれたステロイドの次に腫れや痛みを抑える作用を持っています。

ステロイドと非ステロイドの腫れや痛みを抑える抗炎症作用の強さは、Ⅰ群【storongest(ステロイド)】から【非ステロイド抗炎症成分】まで順番に、

①Ⅰ群storongest⇒②Ⅱ群verystorong⇒③Ⅲ群storong⇒④Ⅳ群medium⑤Ⅴ群week⑥非ステロイドの順になります。

市販の皮膚薬には、非ステロイドとして下記の成分が配合されています。

ブフェキサマクやピロキシカムなど。非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)成分もありますが、市販薬では配合されている医薬品がなくなりました。
非ステロイド抗炎症成分 市販薬の一例
ウフェナマート スキンセーフAPクリーム
トレンタムGクリーム
グリチルレチン酸
グリチルリチン酸二カリウム
ユースキンI
オイラックスソフト
紫雲膏(漢方製剤) アピトベール(軟膏)

参考ステロイドから非ステロイドの塗り薬に切り替えをご検討されている方へ

ステロイドの副作用の心配から、自己判断で処方されているステロイドから非ステロイドへの切り替えのご相談を受けることがあります。

ステロイドはその火事(炎症)を鎮火する消火器のような役割を担っていて、炎症が収まっていないのに脱ステすると炎症がひどくなります。

市販のステロイドはすぐに止めていただいて構いませんが、アトピーなど医療機関でステロイド治療を受けている方は処方されているステロイド自己判断で止めないでください。

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ご参考になれば幸いです

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