便秘の飲み薬には就寝前(or空腹時)に服用するよう記載されていますが、「便秘でお腹が張って痛いのに翌朝まで我慢するのは無理」と思ったことはありませんか。
内服薬は服用後約6~10時間程度で効き目が現れるように設計されています。翌朝の起床時間から逆算した場合、就寝前の服用がベストタイミングになります。
翌朝までこの圧迫感と腹痛を耐えるのは我慢できそうにないという方は、即効性がある坐薬タイプの便秘薬を使用してください。
坐薬タイプのコーラック坐薬やオイレスAは、お薬が直腸から即吸収されるので効果は遅くても30分以内に感じられます。
- ビサコジルが腸の粘膜を刺激することで便を押し出すぜん動運動を活性化します。
- ビサコジルは便が固くなりすぎないようにしてくれる作用があります。
- ビサコジル配合の坐薬は炭酸⽔素ナトリウムに比べるとお腹が痛くなりやすいです。
- ビサコジルの坐薬と同じく便を押し出すぜん動運動を活性化してくれます。
- ビサコジルに比べると炭酸ガスが直腸にはたらきおだやかな便通が期待できます。
- 便をやわらかく保つ作用はないのでカチカチ便秘の方には適さない場合があります。
便秘薬の飲み薬と坐薬で効き目の早さが違う理由
例えば、ピンクの小粒でおなじみのコーラック(飲み薬)と、お尻から入れるオイレスA(坐薬)は同じビサコジルというお薬を配合しています。
同じ成分でも坐薬は、直腸からお薬が直接吸収されますので、錠剤のように腸に届くまでのタイムロスが少ないく効果がでるのが早くなります。
便秘薬の飲み薬は、服用後約6~10時間程度で効き目が現れるように設計されていますが、坐薬はお薬を挿入後遅くても30分以内に強めの腹痛が起こります。
コーラック坐薬タイプとオイレスAの違い
ビサコジルはビサコジルそのものが、炭酸⽔素ナトリウムは発生する炭酸ガスのちからで腸の粘膜を刺激する「大腸刺激性下剤」と呼ばれるタイプの便秘薬です。
コーラック坐薬タイプは、炭酸ガスが直腸のみに作用し排便をうながします。お腹が痛くなりにくい反面、ビサコジルより効果は穏やかです。
ビサコジル(オイレスA)は、炭酸⽔素ナトリウム(コーラック坐薬タイプの成分)にはない「大腸が便の水分を吸い取ってカチカチになるのを防いでくれる作用」があります。
もし便がカチカチに固まって出にくいとお悩みの方でしたら、コーラック坐薬タイプよりビサコジルを配合したオイレスAを選んでみてください。
コーラック坐薬タイプとオイレスAの副作用
コーラック坐薬タイプとオイレスAは、お薬のちからで腸の粘膜を刺激して便をだす刺激性便秘薬ですのでお腹が痛くなることがあります。
坐薬タイプの便秘薬は1回1個をお尻から入れて、便意が強まるまでしばらく我慢してください。坐薬タイプの便秘薬は、1日2個を限度として使用することができます。
ただし、便秘薬を長期間続けて使用すると、腸がお薬の刺激に慣れてお薬なしでは便が出にくくなる習慣性(副作用)があります。
ビサコジルや炭酸⽔素ナトリウム配合の坐薬は、短期間の使用にとどめるように注意してください。
妊婦さんと授乳中のお母さんの坐薬の使用について
妊婦さんは便秘になりやすいですが、妊娠中の便秘薬の使用は、お薬の影響で早産や流産を誘発するおそれがあります。
自己判断での坐薬の使用は避け、かかりつけのお医者さんの判断を仰いでください。
授乳中は便秘が長期化しやすいため、長期間の服用でも便が出にくくなりにくいマグネシウムの飲み薬をおすすめします。ですが、長期間の使用を避けるのであれば坐薬も使用できます。
坐薬タイプの便秘薬は産婦人科でも処方されていて、頑固な便秘にはテレミンソフト(ビサコジル)や新レシカルボン坐剤(炭酸⽔素ナトリウム)などが処方されます。