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【便秘薬】ビサコジル(コーラック)とピコスルファートナトリウム(ピコラックス)の効き目の違いについて

2018-09-19

ピンクの小粒で有名なコーラックの成分「ビサコジル」と、佐藤製薬のピコラックスの成分「ピコスルファートナトリウム」は、どちらもお薬のちからで腸を刺激してお通じを改善する便秘薬です。

便秘薬を購入する際に、「ビサコジルとピコスルファートナトリウムは何が違うの」と疑問に思われる方は多いですよね。

この記事では、ビサコジルとピコスルファートナトリウムの効き目の違いや服用の際の注意点をご紹介します。

ビサコジルが便秘に効くしくみ(作用機序)

ビサコジルの便秘薬は、空腹時(就寝前)の服用で腸を動かすぜん動運動が起こり排便を促します。

コーラックの成分ビサコジルは、お薬の成分が腸の粘膜と副交感神経を刺激して排便を促す「大腸刺激性下剤」と呼ばれる便秘薬です。

腸の副交感神経がビサコジルによって刺激されると、便を押し出しやすくする腸のぜん動運動が活発に起こります(就寝前の服用で翌朝効果を実感します)

また、ビサコジルは大腸が便の水分を吸い取ってしまうはたらきを抑えてくれるので、便がカチカチになるのを防いでくれます。

ただし、ビサコジルは胃腸を刺激しやすいため、服用後お腹が痛くなりやすいデメリットがあります。

ビサコジル服用時の注意点

ビサコジルは長期間の継続使用でお薬なしでは便が出にくくなる習慣性があります。できるだけ連続での服用は避け、長期間にわたる使用は控えてください。

ビサコジルは、腸だけでなく胃にも刺激を与えてしまう成分です。市販薬は胃で溶けないように腸溶錠という錠剤を使用しています。

腸溶錠は中性や弱アルカリ性で溶け出す性質があります。牛乳や制酸剤は胃のなかを中性に近づけるはたらきがありますので、最低でも一時間以上は時間をおいて服用してください。

腸に届く前に腸溶錠が溶けてしまうと、ビサコジルが胃を刺激して、吐き気など胃腸障害(副作用)を起こしやすくなります。

  • ビサコジルが配合された市販の便秘薬
  • コーラックⅡ(大正製薬)・スルーラックS(エスエス製薬)・ビューラックA(皇漢堂製薬)・カイベールC(アラクス)など。
  • コーラックⅡにはDSS、スルーラックS・カイベールCにはセンノサイド・センノサイドカルシウム(別の便秘薬成分)が含まれています。

ピコスルファートナトリウムの効き方(作用機序)

ビサコジルに比べると知名度が低いですが、ピコスルファートナトリウムはドイツ、イギリスなど世界26ヵ国で幅広く販売されている便秘薬です。

ピコスルファートナトリウムは、大腸に住みついている腸内細菌によって分解されると、その分解物の刺激でぜん動運動が活発になります。

ビサコジルと同じく便の水分を吸い取ってしまうはたらきを抑えてくれるので、便をやわらかく出しやすいように保ってくれます。

ピコスルファートナトリウムビサコジルのように胃や小腸を刺激しないため、ビサコジルに比べて下痢、腹痛がおこりにくい特徴があります(大腸に届いてからお薬の効果を発揮します)

ただし、ピコスルファートナトリウムはビサコジルより便秘を解消する効果は弱めです。効果は服用後6~8時間程度で現れます。

ピコスルファートナトリウム服用時の注意点

ピコスルファートナトリウムは、長期間連用すると腸に炎症を起こすリスクが高まります。

また、ビサコジル配合の便秘薬同様、毎回便秘薬に頼りきって出すような長期間の服用は控えてください。

1週間使用しても便秘が解消されない場合は、市販薬の使用を中止してください。長期間続けて使用すると、腸がお薬の刺激に慣れて便が出にくくなる習慣性があります。

以前より便が出にくくなったと感じた場合には、同封の添付文書(お薬の説明書)を持って、医療機関を受診してください(便秘以外で病気の副作用の可能性もあります)

  • ピコスルファートナトリウム配合された市販の便秘薬
  • ビオフェルミン便秘薬(ビオフェルミン製薬・大正製薬)・ビューラック・ソフト(皇漢堂製薬)・ピコラックス(佐藤製薬)など。
  • ビオフェルミン便秘薬にはピコスルファートナトリウムのほかに、便秘を解消する乳酸菌が配合されています。

妊娠中のビサコジルとピコスルファートナトリウムの服用について

ビサコジルやピコスルファートナトリウムは子宮の収縮を早めてしまうため、出産前のお母さんが服用すると流産や早産のリスクを高めてしまいます。

出産に影響がありますので、妊婦さんは市販の便秘薬の服用は自己判断せず、かかりつけのお医者さんの指示に従ってください。

妊娠中は薬剤に対して敏感に反応しやすく、普段大丈夫な医薬品でも体調を崩すリスクが高いです。

妊娠中は自己判断でビサコジルやピコスルファートナトリウムの便秘薬を使用しないでください。

授乳中のビサコジルとピコスルファートナトリウムの服用について

ビサコジルやピコスルファートナトリウムは、母乳に移行する可能性が低いので授乳中も服用できます。

ただし、ビサコジルやピコスルファートナトリウムの便秘薬でも、授乳中に服用すると赤ちゃんが下痢をしてしまうお薬が一緒に配合されている便秘薬もあります。

例えば、スルーラックS・カイベールCはセンノサイド・センノサイドカルシウム(別の便秘薬成分)が含まれています。

授乳中に安心して使える便秘薬については、「関連記事授乳中のお母さんでも使える便秘薬(※タップもしくはクリックで関連記事を開きます)」をご覧ください。

 

 

ご参考になれば幸いです。

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