旅行中は、自動車・バス・電車・船舶・飛行機など、揺れをともなう移動が重なります。
楽しい旅行を台無しにするのが、移動中に起こる乗り物酔いですが、乗り物酔いは、当日だけの心がけだけでなく、旅行前に体調を整えることも大切です。
酔いやすい体質でなくとも、疲労や睡眠不足が積み重なると平衡感覚や自律神経の調節が上手くいかなくなって、吐き気やめまいに苦しめられます。
乗り物酔いしやすい方は空腹と満腹を意識する
- 間食を意識し極端な満腹・空腹状態をつくらないことが大切です。
旅先では、その土地でしか食べれない地のものを食べようと、ちょっとした間食が増えがちです。
食事の間隔が短くなると血糖値が上昇し、胃に血液が集まり乗り物酔いしやすくなります。
また、夜遅く朝早く行動することが多く、「移動先でいっぱい食べるから」と胃に何も入れないのも危険です。
睡眠不足・体調不良は乗り物酔いの原因になります
- 旅行前⽇にだけ良質な睡眠をとっても疲れはとれません。
睡眠負債という言葉を耳にした方もいらっしゃると思いますが、睡眠不足は前日寝ただけでは解消されにくいです。
平日5日分の疲れが休日2日でなくならない様に、乗り物酔い対策に前日たっぷり寝ただけでは足りないことがあります。
体調・コンディションづくりには、旅行の1か月前から毎日10分の睡眠貯金を積み重ねるつもりで、早め早めの就寝を心がけてください。
読書やスマホなど近距離に視線を集中すると酔いやすくなります
- 私たちは情報の9割近くを視覚からの情報に頼っていて視覚と身体の動きがズレると酔いやすくなります
乗り物酔いしやすいひとの特徴として、近くのものに視点を合わす傾向があります。
短時間でもスマートフォンは画面に意識が集中しやすく、乗り物の揺れや進行方向に向かって平衡感覚をつかさどる「三半規管」のバランスがとりにくくなります。
また、車内から景色を見るときも、近くの景色を見るより遠くの景色を眺める方が視点の移動が少なく酔いにくくなります。
乗り物酔いしやすい方は強い匂いのするものを遠ざけてください
- 芳香剤など人工的な香りが充満する匂いの強いものは避けてください。
旅先では、見慣れない景色も多いため、私たちの脳は視覚以外の五感をフル活用して情報を得ようとします。
視覚・聴覚・触覚・嗅覚・味覚の五感のうち、香りを感じ取る嗅覚は全体の情報量の2%程度を占めていて、強いニオイにも敏感になります。
移動中は視覚からだけではなく、嗅覚からも酔いやすくなりますので、香りの強いものは避けるようにしてください。
乗り物酔いしないために揺れの少ない場所を知っておきましょう
- 前もって移動手段と乗り物酔いの原因となる揺れが少ない場所を確認してください。
例えば、電車・バス・船の場合は中央か船尾、乗用車の場合は後部座席より助手席、飛行機の場合なら主翼の近くが揺れが少ないです。
特に、進⾏⽅向と逆向きに座っていると、平衡感覚が狂いやすくなるのでご注意ください。
乗り物酔いが避けれない場合は、酔い止め薬の出番です。
酔い止めのお薬のタイミングは移動前の30分から1時間前
乗り物酔いは、動揺病や加速度病とも呼ばれていますが、不安やストレスも関係しています。
乗り物酔い防止薬に配合された抗ヒスタミン薬は、過敏になった自律神経の緊張を緩和して、いい意味で外部刺激に対して鈍感にしてくれます。
乗り物酔い防止薬は、移動し始める30分から1時間前に服用することで、酔う前のタイミングで効果が現れます。