節々の痛みに処方されるモーラステープやボルタレンテープの添付文書には、紫外線を浴びたことが原因で起こる光線過敏症という副作用が記載されています。
光線過敏症が起こる発生頻度は少ないのですが、市販薬でも同じ成分(ケトプロフェンやジクロフェナクなど)を配合した外用消炎鎮痛薬(シップ薬・塗り薬)があります。
例えば、モーラステープと同じものであればテイコクファルマケアのオムニードケトプロフェンパップ。ボルタレンであれば久光製薬のフェイタスZαジクサスなどの添付文書には、
医薬品を適切に使用された場合でも「まれに接触皮ふ炎や光線過敏症などの重篤な副作用が起こるリスク」が記載されています。
市販のシップ薬で光線過敏症と思われる症状が出た場合は医薬品の使用を中止して、同封された添付文書(お薬の説明書)といっしょに皮膚科専門医の診察を受けてください。
市販薬による光線過敏症
皮膚に貼りつけたり塗布する外用薬医薬品は紫外線など太陽の直射日光にさらされた場合。
稀に皮膚に強いかゆみを伴った発疹(ほっしん)、発赤(ほっせき)、水疱(水ぶくれ)や、ひどいときにはただれや腫れ、ヒリヒリした痛みなど炎症を起こす光線過敏症を発症する場合があります。
光線過敏症のかぶれ症状は、原因となる医薬品を使用した部位だけにとどまる接触性皮膚炎と違って、紫外線など太陽の直射日光にさらされた患部から全身に拡がり重篤化する場合があります。
光線過敏症はシップなどの貼付剤を剥がしたあとに発症する場合もありますが、シップ剤を使⽤してから数か⽉後に紫外線を浴びて症することがもあります。
医療用医薬品では「ニューキノロン系抗生物質・非ステロイド系抗炎症鎮痛剤・脂質異常症治療剤・抗結核薬・サルファ剤・利尿剤・抗がん剤・抗ヒスタミン剤・抗精神病薬などが光線過敏症の原因になりますが、
市販薬の場合は内服薬はありませんので、ケトプロフェンやジクロフェナクなどの成分が配合された外用薬が原因になります。
光線過敏症の対処方法は
症状が現れた場合は、原因と思われる医薬品の使用を中止して皮膚に残っている医薬品を丁寧に洗い流してください。
患部の洗浄が終わった後は、症状が拡がらないように太陽光線から遮断できる厚手の衣服や生地(サポーター)で患部を覆い、すみやかに皮膚科などの専門医を受診してください。
予防のために紫外線をはじくサンスクリーン剤でカバーするのは構いませんが、症状が出てからサンスクリーン剤を塗ると薬剤が原因の接触性皮膚炎になるおそれがあります。
また、紫外線が生地を通過するおそれがあります。患部を守る際には包帯や白い薄手の衣服を避けて紫外線を通しにくい素材を選んでください。
医療機関では炎症やかゆみを鎮めるためのステロイド外用剤や抗ヒスタミン剤、症状がひどい場合にはステロイド剤の内服薬が投与されたり注射等による処置が行われます。
厚生労働省重篤副作用疾患別対応マニュアル
厚生労働省では、今までに報告された重篤な副作用について症状や注意すべき人などをまとめた重篤副作用疾患別対応マニュアルを以下のホームページで公表しています。
厚生労働省ホーム から探す場合→政策について→ 分野別の政策一覧→健康・医療→医薬品・医療機器 →医薬品等安全性関連情報→重篤副作用疾患別対応マニュアルで関連資料を見ることができます。
医薬品は人体に影響する作用がすべて解明されておらず、副作用が生じることがあります。
重篤な副作用は発生頻度が低いですが、早期発見・対応のため、あらかじめ副作用の症状と対応マニュアルを知っておきましょう。
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医薬品の副作用被害にあった場合には
医薬品を適正に使用したにもかかわらず、その副作用により入院治療が必要になるほど重篤な健康被害が生じた場合は、医療費や年金などの給付を行う公的な制度があります。
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