下痢を止めるおくすり

ノロウイルスやO157による下痢にストッパ下痢⽌めEXやトメダインコーワ錠は使えません

2017-02-02

厚生労働省の「食中毒統計資料」によると、毎年11月から4月はノロウイルス。気温の高い夏場はO157などの細菌を原因とした食中毒の発生件数が増加します。

ノロウイルスやO157が原因の食中毒に下痢止めを使用すると、身体からノロウイルスやO157の排出が遅れ症状がよけいに長引く原因になります。

例えば、急な下痢に対して即効性の高いストッパ下痢⽌めEX(ロートエキス)やトメダインコーワ錠(塩酸ロペラミド)はノロウイルスO157の下痢には使わないでください。

この記事では、ノロウイルスやO157による食中毒の下痢に使わないで欲しい下痢止め薬についてご紹介します。

ノロウイルスやO157による食中毒の下痢に使える市販薬はありません

ノロウイルスが原因のウイルス性食中毒やO157による腸管出血性大腸菌食中毒は、ウイルスや細菌が少量でも発症するほど感染力が強く。毎年大規模な食中毒の流行を引き起こす原因になります。

ノロウイルスは食品からウイルスを摂取すると1〜2日で、O157は早ければ12時間後に吐き気、嘔吐、腹痛、頭痛、発熱などの症状が襲ってきます。

市販薬には水分を多く含んだ下痢に効果の高い塩酸ロペラミドやロートエキスなど成分がありますが、お薬の使用は消化管内から原因物質が排出されずに症状が長引くことになります。

下痢や嘔吐などによる脱水症状がひどい場合には、病院で輸液を行うなどの治療が必要になる場合がありますので、自己判断でお薬は服用しないでください。

トメダインコーワ錠(塩酸ロペラミド)

市販薬として販売されている下痢止の中で、塩酸ロペラミドは下痢を止めるのに最も効果を発揮する成分です。

塩酸ロペラミドは、寝冷えのときや、胃腸が吸収できないくらい暴飲暴食した際に起こる突発的な下痢にしっかり効きます(対象年齢15歳未以上)

塩酸ロペラミドは食中毒が流行る時期に使うと、細菌やウイルスを外に排出しようとする腸の動きまで止めてしまいます。

塩酸ロペラミド配合の代表的な市販薬には、トメダインコーワ錠(興和)のほかにピタリット(大正製薬)やイノック下痢止めなどがあります。

ストッパ下痢⽌めEX(ロートエキス)

ストッパ下痢⽌めEXに配合されているロートエキスは、塩酸ロペラミドよりは弱いですが、腸管運動の抑制によって突発的な下痢に効くおくすりです。

ロートエキスは、寝冷えや食べ過ぎ、飲みすぎのほか、副交感神経のはたらきを弱める抗コリン作⽤が強いのでストレスによる下痢にも即効性があります。

ロートエキスが配合された下痢止めも、ウイルスや細菌性の下痢に使うと症状が悪化するので使わないでください。

ロートエキス配合の代表的な市販薬には、アクロミンカプセルA(小林薬品工業)やストッパ下痢⽌めEX(ライオン)などがあります。

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