眼病予防のおくすり

ドライアイ(乾性角結膜炎)なのに放置しておくと、余計に症状が悪化します

2017-12-11

ドライアイを自覚すると人工涙液や潤い成分を配合した点眼薬でとりあえず対処するという方は多いですよね。

最近ではドライアイに特化した市販薬が山のように販売されているので目移りしますが、涙の分泌量は一度減ってしまうと元々の量には戻らないので、

市販薬で誤魔化すよりは、症状が軽いうちに眼科医に対処方法を相談していた方がのちのちドライアイの悪化で苦しむリスクが減らせます。

ドライアイのチェック方法

ドライアイは様々な原因で起こるので、対策が難しい症状です。

 

例えば、現代ではモバイル端末やOA機器を使った長時間の作業によるVDT症候群(テクノストレス眼症)、エアコンなどの乾燥した住環境、コンタクトレンズの使用による目の乾き、花粉症(アレルギー)、ストレスや寝不足、加齢による涙の減少など、生活習慣を含め様々な要因が絡みあっています。

 

ドライアイの症状は個人差があり人によって目の負担の感じ方が違うので、「ドライアイの原因はコレ」と判断できませんが、以下の症状があるとドライアイの可能性があります。

複数当てはまったらドライアイの可能性がある自己判断項目の一例
目ヤニが多い 目の乾燥が自覚できる 目が痛い
目がゴロゴロ異物感がある 目が重たいなど不快感が続く 目の充血・かゆみ
やたらと涙がでる 白っぽい目ヤニがでる 光がまぶしい
視界がかすむ 10 秒以上まばたきをせず目をあけていられない

眼科専門医で実施されるシルマー検査と細隙灯顕微鏡検査

眼科専門医で実施されるドライアイの検査では、下まぶたの間にろ紙を5分間挟んで涙の分泌量を測るシルマー検査が行われます。

 

また、目の表面に染色液を入れて、細隙灯と呼ばれる細い帯状の光で顕微鏡を通し、乾燥による角膜の傷がないか目の表面の傷の状態を調べる細隙灯顕微鏡検査など多面的な角度から検査が実施されます。

 

ドライアイが軽度であればドライアイの進行を防ぐための生活習慣の指導や、少なくなった涙を補充するための人工涙液や潤いを保つための成分を含む点眼薬など対処療法薬が処方されますが、

 

場合によっては涙点閉鎖術のような涙を目の表面に蓄えるシリコン製の小さなプラグを涙点に挿し込んだり涙点を縫い合わせる方法が取られます。

ドライアイを放っておくとドライアイ以上の思わぬ病気を招く場合もあります

ドライアイも市販薬で解決できる範囲があります。

 

涙の分泌量は一度減ってしまうと元々の量には戻らないので、軽度のうちは工涙液や潤いを保つための成分を含む点眼薬で良いかもしれませんが、

 

涙液不足が進行し、重度のドライアイを放置した場合はドライアイ以上の思わぬ病気を招く場合もあります。

症状が重篤になると心配される症状

  • シェーグレン症候群(自己免疫と関係している目の乾燥性角結膜炎)
  • スティーブンス・ジョンソン症候群(スティーブンス・ジョンソン症候群(皮膚粘膜眼症候群)は、38℃以上の高熱とともに、全身の皮膚、口、目の粘膜に重篤な副作用を引き起こすものです

ドライアイに特化した市販薬はセルフメディケーションの一環として、軽度のドライアイには対応できますが、症状の経緯を見守らず漠然とした使用はしないようにしましょう。

【 受 診 勧 奨 】以下の場合は市販薬に頼らず、近隣の医療機関を受診してください

  • 症状が長引いている場合や、症状が重いとき(もしかしたら、違う病気が原因で身体に現れている症状かも知れません)
  • 医薬品を使用しても症状が改善しない場合(一般薬は継続的な治療を必要としない軽微な症状に対して使われるお薬です。症状が重いと感じたら、自分で判断せず医療機関の専門家にバトンタッチしましょう)
  • 乳児・妊婦・複数の薬効の違う医療用医薬品を処方されている方(デリケートな処置が必要な場合があります。おもわぬ事態を招かないためにも、医療機関と相談した方がより安全確実です)
  • その他、医薬品各社の添付文書に記載されている受診勧奨の項目に該当している場合

もしも!?のときには

医薬品が人体に及ぼす作用は、すべてが解明されているわけではありません。いざという時のために、中毒110番・電話サービス医薬品副作用被害救済制度だけでもこころの片隅に覚えておいてください。

医薬品の副作用について詳しく知りたい方へ

厚生労働省では、今までに報告された重篤な副作用について症状や注意すべき人などをまとめた重篤副作用疾患別対応マニュアルを以下のホームページで公表しています。

 

厚生労働省ホーム から探す場合→政策について→ 分野別の政策一覧→健康・医療→医薬品・医療機器 →医薬品等安全性関連情報→重篤副作用疾患別対応マニュアルで関連資料を見ることができます。

 

〒100-8916 東京都千代田区霞が関1-2-2 厚生労働省

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独立行政法人医薬品医療機器総合機構医薬品副作用被害救済制度HP

カラフルで親しみやすい 医薬品副作用の被害救済制度告知サイトが用意されています。制度についてよくある質問や給付の仕組み、手続きの仕方等がわかりやすく整理されていますので、気になる方は一度見に行ってはいかかでしょうか。

 

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル独立行政法人医薬品医療機器総合機構

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ご参考になれば幸いです。

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