【疑問】この処方されたお薬を飲むとなんだか背中が痒くて。鏡で見たら全身にぶつぶつ(薬疹)が出たんです!お薬の使用を止めていいですか。
病気でお薬を服用している方のなかには、さまざまな不快感を抱えてお薬を自己判断で中断する方が少なからずいらっしゃいます。
もしかしたらお薬のせいかなと思ったら、その疑問をお医者さんに相談してみてください。
お医者さんの判断によっては、薬剤のアレルギーなら違う成分に変更したり、錠剤に含まれる添加物が原因なら異なる医薬品メーカーを選ぶ、はたまた薬剤の投与量を加減する等。
今起きている不快感を解消するため何らかの処置をしてくださいます。処方された医薬品は勝手に止めないようにしましょう。
処方された医療用医薬品の役割
医療用医薬品は症状を安定させたり、その治療の助けになるものです。
よくある事例ですと、薬を飲むと便が硬くなる(副作用)から自己判断で服薬を中止される方がいらっしゃいます。
もし患者さんが自己判断でお薬を中断した場合は、誤った検査数値がでたり、症状が安定せず病気が悪化したりするおそれがあります。
お薬を服用して副作用など体調が思わしくない場合は必ず受診して専門家の指示に従ってください。
市販薬も副作用が出ても勝手に止めたら駄目ってことですか?
医療用医薬品は自己判断で使用を中止すると副作用など治療上の問題が起こるおそれがあるので診療を行った医師や調剤した薬剤師に確認を取ることが必要です。
それに対して、一般用医薬品はおかしいと思ったらすぐ止めることができるお薬です。一般用医薬品は、継続的な治療を必要としない軽微な症状の改善に使われるものです。
一般用医薬品の添付文書を見ていただければわかると思いますが、だいたいどの文書にも短期間で何回か使用して症状がよくならない場合には使用を中止してくださいねと書いてあります。
何らかの基礎疾患をお持ちで継続的な治療を受けられている方は、市販薬より医師による治療が優先されます。
市販薬はおかしいと思ったら即使用を中止して、必要であればお医者さん診断を受ける等。症状が重篤化するのを防いでください。
一般用医薬品を使っていて効果が見られなかったので医療機関を受診したら思わぬ病気の前兆だったということがあります。
かかりつけ薬剤師という制度をご存知ですか
医薬品が人体に及ぼす作用はすべてが解明されているわけではありません。
星の数ほどあるおくすりとの相互作用を把握するのは大変です。特に何らかの基礎疾患をお持ちで継続的な治療を受けられている方は、かかりつけ薬剤師という制度をご活用ください。
かかりつけ薬剤師制度とは、2016年4月から本格的にスタートした国の取り組みで、担当制薬剤師制度ともいうべきものです。
一人の患者さんにつき一人の薬剤師さんを指名でき、24時間薬局が閉まっているときでも、担当の薬剤師さんが薬局で受け取った処方薬や購入した市販薬、サプリメントなど健康食品、食品の相互作用等をまとめて把握してアドバイスしてくれます。
医薬品の副作用被害にあった場合には
医薬品を適正に使用したにもかかわらず、その副作用により入院治療が必要になるほど重篤な健康被害が生じた場合は、医療費や年金などの給付を行う公的な制度があります。