肥満改善薬

防風通聖散を飲んで起こる下痢は痩せるための好転反応ではありません

2019-07-19

「防風通聖散を飲んで起こる過度な下痢は、たまった脂肪を減らすための好転反応だから慣れるまで我慢」と無理をして飲み続けていたりしませんか。

残念ながら防風通聖散を飲んで起こる激しい下痢は、余分な脂肪を便と⼀緒に押し出すための好転反応ではありません。

よくご相談に来られる方のなかには「防風通聖散は下痢と引き換えに痩せる漢方薬」と誤解されている方がいらっしゃいますが、過度な下痢は肥満症を改善するための効能効果とはまったく関係ありません。

防風通聖散はお通じをよくする生薬が入っていますので便通が改善されます。ですが過度な「下痢便」や「軟便」が起こった場合は服用を中止してください。

体質が合わない方が防風通聖散を飲み続けた場合。下痢だけでなく間質性肺炎や肝機能障害、偽アルドステロン症など。重篤な健康被害をもたらす副作用を引き起こす場合があります。

防風通聖散を飲んで起こる重篤な副作用

起こる頻度は極めてまれですが、下記の重篤な症状が起こった場合は直ちに医師の診療を受けてください。

間質性肺炎・偽アルドステロン症・肝機能障害は防風通聖散だけでなく、多種多様な医薬品で起こりうる重篤な健康被害(副作用)のひとつです。

  • 間質性肺炎:ちょっとした日常生活での運動で息切れや・呼吸が苦しくなる、空せき、発熱など
  • 偽アルドステロン症、ミオパチー:⼿⾜の倦怠感(だるさ)、しびれ、つっぱり感やこわばりおよび脱⼒感、筋⾁痛の増強など
  • 肝機能障害:発熱、かゆみ、発疹、⽪ふや⽩⽬が⻩⾊くなる(⻩だん)、褐⾊尿、全⾝のだるさ、⾷欲不振など
  • 腸間膜静脈硬化症:サンシシを含有する漢方薬の長期連用が原因とされる副作用。主に腹痛(右側)、下痢、便秘、悪心・おう吐腹部膨満等が繰り返しあらわれる

防風通聖散を飲んで起こる軽微な副作用

副作用が起こる頻度は多くはありませんが、体質が合わない方が防風通聖散を飲み続けると下記の副作用が起こりやすくなります。

市販薬で副作用が起こった場合は医薬品の使用を中止し、症状の改善がみられない場合は医療機関を受診してください。

  • ⽪ふに起こる副作用:腕や足、身体にできるぶつぶつ(発疹・発⾚)、かゆみ
  • 消化器官に起こる副作用:吐き気・おう吐、⾷欲不振、胃がもたれる・重く感じる・キリキリする・胸やけがする(胃部不快感)腹部膨満感、はげしい腹痛を伴う下痢、腹痛
  • その他の副作用:めまい、冷や汗(発汗)、動悸、むくみ、頭痛

防風通聖散と気づかずに服用しがちな市販薬

市販薬のなかには、防風通聖散を知らない方にも手にとっていただけるように、製薬メーカー独自の名前をつけて販売している漢方製剤が多数あります。

例えば、小林製薬のナイシトールが防風通聖散なのは有名ですが、女性に人気のクラシエのコッコアポ(コッコアポEX錠・コッコアポプラスA錠など)の中身も防風通聖散です。

防風通聖散は冷え性で胃腸が弱く下痢しやすい女性が服用した場合。ダイエットの効果を得られないばかりか、副作用による健康被害を引き起こすリスクが高まりますので避けてください。

防風通聖散には、冷えを助長してしまう大黄(ダイオウ)や芒硝(ボウショウ)、石膏(セッコウ)など生薬が含まれています。

関連記事妊娠中の防風通聖散は早産や流産を誘発する危険性があるため使用しないでください

厚生労働省重篤副作用疾患別対応マニュアル

厚生労働省では、今までに報告された重篤な副作用について症状や注意すべき人などをまとめた重篤副作用疾患別対応マニュアルを以下のホームページで公表しています。

厚生労働省ホーム から探す場合→政策について→ 分野別の政策一覧→健康・医療→医薬品・医療機器 →医薬品等安全性関連情報→重篤副作用疾患別対応マニュアルで関連資料を見ることができます。

厚生労働省のホームページに移動する

医薬品の副作用被害にあった場合には

医薬品を適正に使用したにもかかわらず、その副作用により入院治療が必要になるほど重篤な健康被害が生じた場合は、医療費や年金などの給付を行う公的な制度があります。

制度の概要を見る

 

 

ご参考になれば幸いです

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