お薬の疑問

病院で処方された医療用医薬品を自己判断で中止したら駄目な理由

2016-12-16

時折、病気で処方された医療用医薬品を自己判断で中断してよいか迷われる方が少なからずいらっしゃいます。

その多くはお薬を服用することによって起こる不快感が一因だったりします。もしかしたらお薬のせいかなと思ったら、その疑問をお医者さんに相談してみてください。

例えば、お薬を服用することによって身体にぶつぶつが出きたり、かゆみがひどくなるなどの薬疹が疑われる場合。

お医者さんによっては、薬剤のアレルギーなら違う成分に変更したり、錠剤に含まれる添加物が原因なら異なる医薬品メーカーを選ぶ、はたまた薬剤の投与量を加減する等。

今起きている不快感を解消するため何らかの処置をしてくださいます。処方された医薬品は勝手に止めないようにしましょう。

自己判断で病院で処方された医療用医薬品を中断するデメリット

あなたのかかりつけ医のお医者さんは、患者さんが日々お薬を飲んでいる前提で治療方針をきめています。

医療用医薬品は、自己判断で使用を中止すると治療上の問題が起こるおそれがあるので、診療を行った医師や調剤した薬剤師に確認を取ることが必要です。

もし患者さんが自己判断でお薬を中断した場合は、誤った検査数値が出たり、症状が安定せず病気が悪化したりするおそれがあります。

医療用医薬品は症状を安定させたり、その治療の助けになるものです。

お薬を服用して副作用など体調が思わしくない場合は自己判断せず、必ず受診して専門家の指示に従ってください。

市販薬でお薬による副作用が疑われる場合は即中止してください

市販薬は医師による継続的な治療を必要としない軽微な症状の改善に使われるものです。

市販薬の添付文書には、短期間で何回か使用して症状がよくならない場合には使用を中止してくださいねと書いてあります。

市販薬は得られる効能効果よりも症状が重篤化するのを防ぐことが優先されるので、何かしらの異常を感じた時には即中止してください。

市販薬を使っていて効果が見られなかったので医療機関を受診したら思わぬ病気の前兆だったということもあります。

何らかの基礎疾患をお持ちで継続的な治療を受けられている方は、市販薬より医師による治療が優先されます。

かかりつけ薬剤師という制度をご存知ですか

かかりつけ薬剤師制度とは、2016年4月からスタートした国の取り組みで、担当制薬剤師制度ともいうべきものです。

一人の患者さんにつき一人の薬剤師さんを指名でき、薬局が閉まっているときでも担当の薬剤師さんが薬局で受け取った処方薬や購入した市販薬、サプリメントなど健康食品、食品の相互作用等をまとめて把握してアドバイスしてくれます。

医薬品の人体に及ぼす作用はすべてが解明されているわけではなく、星の数ほどあるおくすりとの相互作用を把握するのは大変です。

何らかの基礎疾患をお持ちで継続的な治療を受けられている方は、かかりつけ薬剤師という制度をご活用ください。

かかりつけ薬剤師制度のQ&Aが厚生労働省のホームページにまとめられていますので、関心のある方は一度ご覧になってください。

厚生労働省のホームページに移動する

医薬品の副作用被害にあった場合には

医薬品を適正に使用したにもかかわらず、その副作用により入院治療が必要になるほど重篤な健康被害が生じた場合は、医療費や年金などの給付を行う公的な制度があります。

制度の概要を見る

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