お薬の疑問

(簡易版)7歳未満の小さなお子さんに使わないで欲しいおくすり

2017-01-12

同じおくすりでも子どもと大人ではおくすりの効き目が違います。大人向けの医薬品しか買い置きがないからと、安易に量を減らして一緒に飲むのは副作用のリスクを高めることになります。

15歳以下の小児(お子さん)は、医薬品を受けつける生理機能が大人と比べて未熟なため、おくすりの成分を分解したり身体の外に排出するのに時間がかかります。

体調が優れないときは億劫(おっくう)かもしれませんが、必ず年齢に応じた用法用量が定められているものを使用しましょう。

7歳未満の小さなお子さんに使うときに注意してほしいおくすり

6歳未満のお子さんには?

アミノ安息香酸エチル( 局所麻酔成分
 アミノ安息香酸エチルは内服薬・外用剤問わず色々なお薬に配合されている成分です。乳幼児への使用で、メトヘモグロビン血症という症状を起こすおそれがあります。

メトヘモグロビン血症は、アミノ安息香酸エチルが酸素を全身に運ぶヘモグロビンを酸化させてしまいます。酸素と結合できなくなったメトヘモグロビンは、細胞に酸素を渡すことができず、酸素不足になった細胞がチアノーゼを起こすおそれがあります。

アミノ安息香酸エチルが含まれているお薬の一例

 乗り物酔い薬(鎮うん剤)  めまい・吐き気・頭痛の予防として
 胃腸薬(鎮痛・鎮けい剤)  胃痛腹痛に関わる症状や、さしこみ(疝痛・癪)の緩和
 痔の治療薬(外用痔疾用剤)  痔の痛みやかゆみの緩和
 水虫・いんきんたむし・ぜにたむし用薬  局部の我慢できないかゆみに

4歳未満のお子さんには?

牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)
おしっこ(尿)の量が少ないときや多尿、おしっこが出にくい排尿困難の場合に使用される漢方のお薬です。この牛車腎気丸には4歳未満のお子さん向けには作られていません。

3歳未満のお子さんには?

乗り物酔いのお薬全般
3歳未満のお子さんは、自律神経の発達がまだのため、乗り物酔い起こらないとされています。ですから、3歳未満のお子さん向けに使える乗り物酔いのお薬はありません。

 

ヒマシ油・加香ヒマシ油(下剤)
一般ではあまり使われることがありませんが、食あたりなどの場合に使われるおくすりです。3歳未満のお子さんに使用すると、急激でひどい下痢や腹痛のような症状がでます。

6ヵ月未満のお子さんには?

ディート(虫よけのお薬)
さまざまな虫よけのおくすりに含まれています。動物実験で神経毒性が指摘されていますので、6ヵ月未満のお子さんには使用しないでください。

3ヵ月未満のお子さんには?

漢方のおくすり全般
医薬品を受けつける生理機能が大人と比べて非常に未熟です。適用年齢が書いていなくても3ヵ月未満のお子さんには使用しないでください。

1ヵ月未満のお子さんには?

マルツエキス(さつまいもを原料とした麦芽糖)
1ヵ月未満の赤ちゃんは身体が非常に未熟です。赤ちゃんの下剤にはマルツエキスが含まれていますが、安易な下剤の使用は脱水症状を引き起こします。

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