お薬の疑問

(簡易版)15歳未満のお子さんに使うとき注意が必要なおくすり

2017-01-08

同じ量でも子どもと大人ではおくすりの効き目が違います。15歳以下のお子さんは、医薬品を受けつける生理機能が大人と比べて未熟なため、おくすりの成分を分解したり身体の外に排出するのに時間がかかります。

大人向けの医薬品しか買い置きがないからと、安易に量を減らして一緒に飲むのは副作用のリスクを高めることになります。

体調を崩されているときは億劫(おっくう)かもしれませんが、必ず年齢に応じた用法用量が定められているものを使用しましょう。

高熱・痛みの場合

解熱鎮痛剤

アスピリン(アセチルサリチル酸)・アスピリンアルミニウム・サザピリン
 熱痛みをやわらげるおくすりに含まれています。この3種類の成分は、15歳未満のお子さんには絶対に使用しないでください。

 

サリチルアミド ・ エテンザミド​
 痛みをやわらげるおくすりに含まれています。インフルエンザや水痘(水疱瘡 みずぼうそう)に感染、またはその疑いがあるお子さんには使用しないでください。ライ症候群と呼ばれる急性脳症、肝臓の脂肪浸潤を引き起こし、生命にもかかわる病気との関連が報告されています。

風邪薬などの解熱鎮痛剤にはさまざまな種類の痛みをやわらげるお薬が採用されていますが、15歳未満のお子さんに使用する場合はアセトアミノフェンを第一選択にしてください。

ロキソプロフェンナトリウム水和物(ロキソニン)
 熱や痛みの原因となる原因物質を作らせないようにするおくすりです。市販薬では、15歳未満に使用できる製品はありません。

 

イブプロフェン
痛みをやわらげるおくすりです。市販薬では、15歳未満に使用できる製品はありません。

鼻水・くしゃみ・鼻づまりの場合

鼻炎薬

プロメタジンを含む抗ヒスタミン成分
 鼻水・鼻づまり・くしゃみを緩和するおくすりです。乳児へのおくすり投与で、乳児突然死症候群や乳児睡眠時無呼吸発作が起こった症例が報告されています。それ以上の年齢お子さんでも安全性が確立されていないため、15歳未満の市販薬では使用しないこととされています。

 

ケトチフェン
 ケトチフェンは、花粉やハウスダストなどによるくしゃみ、鼻みずや鼻づま りなどの鼻のアレルギー症状にすぐれた効果があるおくすりです。市販薬では、15歳未満に使用できる製品はありません。

眠れないときに

睡眠改善薬

塩酸ジフェンヒドラミン
 鼻水・鼻づまり・くしゃみを緩和するおくすりです。市販薬では、塩酸ジフェンヒドラミンの眠くなる作用を利用して睡眠導入薬が発売されています。15歳未満に使用した場合、眠気とは別に神経過敏になったり、神経が高ぶる(興奮)などの副作用が起こりやすいと報告されています。受験シーズンなど、15歳未満のお子さまに使用しないでください。

 眠気防止薬

カフェイン水和物・無水カフェイン等
 成長期の15歳未満へのカフェインを配合した眠気防止の製品は使用しないでください。

おなかが痛いとき

止瀉薬(下痢止め)

塩酸ロペラミド
 15歳未満に対応した製品はありません。15歳未満のお子さんに使用しないでください。

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はきけ・胃の調子が悪い

胃腸薬

オキセサゼイン
 強い胃痛吐き気むかつきに効くおくすりです。15歳未満に対する安全性が確立されていないため、15歳未満の市販薬では使用しないこととされています。

胸が苦しい

ビタミン様成分(強心薬)

ユビデカレノン( ユビキノン・コエンザイムQ10 ) 
 軽度な心疾患の改善薬です。15歳未満の心疾患による動悸・息切れ・むくみのような症状は医療機関での診断をお勧めします15歳未満に対応した製品はありません。

子どもの高血圧

七物降下湯(しちもつこうかとう)
 高血圧に用いられるおくすりです。高血圧は成人だけの疾患ではなく、小児にもみられますが、こちらの漢方製剤は子ども向けではありません。

身体のあちこちが痛い

消炎鎮痛成分

インドメタシン
 肩こり・腰痛、筋肉痛などさまざまな痛みに使われるおくすりです。15歳未満に対する安全性が確立されていないため、シップなどインドメタシン1%含有の貼付剤15歳未満、そのほかのインドメタシン製品は11歳未満のお子さんには使用しないでください。
ジクロフェナク
外用消炎鎮痛薬として使われています。15歳未満のお子さんに対する安全性が確立されていないため、15歳未満のお子さんには使用しないでください
ケトプロフェン
 商品は多くありませんが、外用消炎鎮痛薬として使われています。15歳未満のお子さんに対する安全性が確立されていないため、15歳未満のお子さんには使用しないでください
フェルビナク
 肩こり・腰痛、筋肉痛などさまざまな痛みに使われるおくすりです。15歳未満のお子さんに対する安全性が確立されていないため、15歳未満のお子さんには使用しないでください。
ピロキシカム
 市販薬ではあまり配合されていませんが、外用消炎鎮痛薬として使われています。15歳未満のお子さんに対する安全性が確立されていないため、15歳未満のお子さんには使用しないでください。

ダイエットしたい

防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)
 おなかの皮下脂肪が多い人に用いられる漢方薬ですが、こちらの漢方製剤は子ども用ではありません。

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