お薬の疑問

【簡易版】アナフィラキシーショックの症状と対応

2017-02-22

医薬品は、人体に影響する作用がすべて解明されておらず、適切に使用された場合でも副作用が生じることがあります。

重篤な副作用は発生頻度が低いですが、早期発見・対応のため、あらかじめ副作用の症状と対応マニュアルを知っておきましょう。

厚生労働省重篤副作用疾患別対応マニュアル

厚生労働省では、今までに報告された重篤な副作用について症状や注意すべき人などをまとめた重篤副作用疾患別対応マニュアルを以下のホームページで公表しています。

厚生労働省ホーム から探す場合→政策について→ 分野別の政策一覧→健康・医療→医薬品・医療機器 →医薬品等安全性関連情報→重篤副作用疾患別対応マニュアルで関連資料を見ることができます。

厚生労働省のホームページに移動する

アナフィラキシーショックとは

すべてのおくすりの成分が原因で引き起こされる重篤なアレルギー反応(過敏反応)のことを言います。

症状は突如現れて、発症してから症状の進行が早い(2時間以内)のが特徴です。

発生頻度は低いですが、以前にその医薬品成分で蕁麻疹(じんましん)等のアレルギー反応を経験したひとは要注意です 。

具体的な症状

  • 顔や上半身の紅潮・熱感
  • 皮膚のかゆみ・蕁麻疹(じんましん)
  • くちびる(口唇)や、舌、手足など全身に拡がるしびれ、むくみ(浮腫)
  • 吐き気
  • 顔面蒼白
  • 冷や汗、顔面蒼白、息苦しさ、胸苦しさ、手足が冷たくなる 等

発症すると症状がみるみる進行して、チアノーゼや呼吸困難等に陥るおそれがあります。

アナフィラキシーショックの対処方法は

一般の方では対応出来ません。おかしいと感じたら即救急車を呼んで『 救急救命処置 』が可能な医療機関の専門家にバトンタッチしてください。

適切な処置が遅れると致命的になりますので、落ち着いて対応することが重要です。

原因となるおくすり

以下に挙げたもの以外にも、基本的にはすべての医薬品成分で起こる可能性があります。

症例の報告が多い成分 主に配合されている医薬品
  塩化リゾチーム
  かぜ薬 等【 消炎酵素成分 】
  塩酸クロルヘキシジン
  皮膚外用薬 等【 殺菌消毒成分
  塩酸ロペラミド
  下痢止め薬 等【 止瀉成分 】
  グルコン酸クロルヘキシジン
  皮膚外用薬 等【 殺菌消毒成分
  クロモグリク酸ナトリウム
  眼科用薬・鼻炎薬 等【 抗アレルギー成分
  ケトプロフェン
  シップなど外用消炎鎮痛薬【 消炎鎮痛成分 】
  解熱鎮痛成分
  かぜ薬・解熱鎮痛剤 等【 解熱鎮痛成分 】
  タンニン酸アルブミン
  胃腸薬・下痢止め薬等【 止瀉成分 】
  ペニシリン
  抗生物質
  メキタジン
  かぜ薬・鼻炎薬 等【 抗ヒスタミン成分
  ヨウ素系殺菌消毒成分
  殺菌消毒薬・うがい薬 等【 殺菌消毒成分
  リドカイン   鼻炎用点鼻薬・外用痔疾用薬 等【 局所麻酔成分 】 

医薬品の副作用被害にあった場合には

医薬品を適正に使用したにもかかわらず、その副作用により入院治療が必要になるほど重篤な健康被害が生じた場合は、医療費や年金などの給付を行う公的な制度があります。

制度の概要を見る

-お薬の疑問